この記事の目次
よくある質問
ダスキン サービスマスターの加盟金はいくらですか?
法定開示書面によると、加盟金は85万円(別途消費税)です。すでにダスキンが主宰する他の事業に加盟している場合は75万円、同一法人が同一都道府県内に同じ事業を出店する場合は不要とされています。加盟金のほかに、開業時の資器材・販促物・帳票類をまとめた初期キットが約173万円、研修費が新規1名で23万5,000円、店舗看板費が約8万4,000円、車両看板が約4万円かかります。本部に関連する初期費用の合計は約294万円です。保証金は原則として不要で、加盟時に加盟店またはその関連企業がダスキンのケアサービス関連事業と競合する事業を行っている場合に限り50万円を預託します。
ダスキン サービスマスターのロイヤリティは何%ですか?
総売上の8%です。これに加えて広告分担金が総売上の1%、店舗業務システムの使用料がかかります。システム使用料は2方式から選択でき、売上連動型は総売上の0.5%(下限7万円・上限20万円)、積算型は月額2万2,000円です。0.5%が下限の7万円に達するのは月商1,400万円からなので、それ以下の売上帯では売上連動型を選んでも実質7万円の固定負担になります。加盟店の平均月商にあたる約236万円で試算すると、積算型を選んだ場合のロイヤリティ・広告分担金・各種システム使用料の合計は約24万1,000円で、売上に対して約10.2%という水準です。ここにiPad端末の費用、加盟店会の会費、損害賠償団体保険の保険料、商品の仕入代金は含みません。
ダスキン サービスマスターの開業にはいくら必要ですか?
本部に支払う約294万円のほかに、開示書面には加盟者の特別の義務として「店舗・資器材・洗剤・従業員および店舗取得費とは別途に約1,000万円の資金を確保すること」と明記されています。つまり店舗や車両の費用とは別枠で1,000万円規模の資金が求められる設計です。用途は書面に限定されていないため、運転資金と決めつけずに、何をもって確保とみなすのかを本部に確認してください。公式サイトにはリースを活用すると約142万円から146万円の投資で事業を始められるという説明もありますが、これは初期に用意する現金の話であり、資金確保義務とは別の論点になります。実際に必要な金額は物件条件と出店規模で変わるため、資料請求と個別面談で確認してください。
ダスキン サービスマスターは個人でも加盟できますか?
公式の加盟条件は「法人契約のみ(個人の方はご相談ください)」とされています。あわせて経営理念への賛同、事業専従者1人以上、加盟基本研修と社外施設研修の受講、指定コンピュータの設置、ダスキン全国ケアサービス加盟店会への加入が挙げられています。店舗条件も定められており、本部規定の看板を設置できる事務所店舗で、単独店なら標準15坪、給排水施設の完備、車両スペース1台以上が必要です。個人事業として開業届だけで始められる他のハウスクリーニングFCとは、入り口の条件が大きく異なります。
ダスキン サービスマスターの加盟店は増えていますか?
増えています。開示書面によると加盟店数は2021年度の1,139店から2024年度の1,186店へ47店増え、加盟店の売上高も301億9,400万円から335億5,700万円へ11.1%伸びています。新規に営業を開始した加盟店は2022年度から3年間で41店・42店・47店、契約を中途で終了した加盟店は19店・31店・25店で、新規が中途終了を上回る年が続いています。更新されなかった契約は3年連続で0件、加盟者側と本部側から提起された訴えの件数も2020年度から5年連続で各0件と記載されています。店舗網が縮小しているチェーンとは異なる局面にあります。
チェーン基本情報
| チェーン名 | ダスキン サービスマスター |
|---|---|
| 業種 | ハウスクリーニング |
| 初期費用 | 本部関連 約294万円(加盟金85万円+初期キット約173万円+研修費23.5万円+看板約12.4万円・税別)※別途 約1,000万円の資金確保が加盟条件 |
| ロイヤリティ | 総売上の8%(別途 広告分担金1%・システム使用料) |
ダスキンのフランチャイズを調べても、加盟金やロイヤリティの数字は公式サイトの募集ページからは読み取れません。プランごとの費用は画像で示されており、テキストとしては保証金の注記くらいしか出てきません。
一方で、株式会社ダスキンは中小小売商業振興法にもとづく情報開示書面を作成し、日本フランチャイズチェーン協会のサイトで公開しています。加盟金も、ロイヤリティの料率も、加盟店数と売上高の推移も、契約を途中で終了した店舗の数も、そこに記載があります。2025年7月1日作成の版が誰でも参照できる状態です。
ビジネスモデルナビ編集部では、この開示書面と公式のFC募集サイトを突き合わせ、加盟を検討する立場で必要な数字を整理しました。結論から言えば、加盟金85万円という入り口の金額よりも、別途求められる約1,000万円の資金確保義務と、売上の約10%が本部に向かう月次の構造のほうが、判断を左右します。
数字で見るダスキン サービスマスター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ダスキン(大阪府吹田市・資本金113億円・従業員1,963名) |
| 設立 | 1963年2月(サービスマスターの加盟店1号店は1971年10月) |
| 主要株主 | 株式会社ニップン |
| 店舗数(2024年度) | 1,210店舗(加盟店1,186店・直営店24店) |
| 加盟店比率 | 98.0% |
| チェーン売上高(2024年度) | 353億8,100万円(加盟店335億5,700万円・直営店18億2,400万円) |
| 加盟金 | 85万円(別途消費税・契約調印後は原則返還なし) |
| ロイヤリティ | 総売上の8%(別途 広告分担金1%) |
| 契約期間 | 4年(以後1年ごと自動更新) |
| 店舗条件 | 単独店で標準15坪・給排水施設完備・車両スペース1台以上 |
| テリトリー | 都道府県単位の指定営業地域(独占権ではない) |
数値は情報開示書面(2025年7月1日作成・本部概要は2025年3月31日現在)と公式FC募集サイトの記載です。加盟店が98%を占めており、直営店は24店しかありません。ドトールやコンビニのような直営とFCの併存型ではなく、ほぼ全面的に加盟店が担うチェーンです。
加盟店は増えている
開示書面には直近4年度の店舗数と売上高が、加盟店と直営店に分けて記載されています。
| 年度 | 加盟店 | 直営店 | 加盟店売上高 |
|---|---|---|---|
| 2021年度 | 1,139店 | 20店 | 301億9,400万円 |
| 2022年度 | 1,162店 | 21店 | 305億2,900万円 |
| 2023年度 | 1,170店 | 24店 | 315億3,100万円 |
| 2024年度 | 1,186店 | 24店 | 335億5,700万円 |
加盟店は3年間で47店増え、売上高は11.1%伸びています。店舗数と売上高がそろって伸びている状態で、募集を絞っているチェーンではないことが読み取れます。
出入りの内訳も開示されています。
| 年度 | 新規に営業を開始した加盟店 | 契約を中途で終了した加盟店 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 41店 | 19店 |
| 2023年度 | 42店 | 31店 |
| 2024年度 | 47店 | 25店 |
3年間で新規130店に対し中途終了75店です。新規が中途終了を上回る状態が続いており、店舗網が入れ替わりながら縮小していくパターンではありません。更新されなかった契約は3年連続で0件と記載されています。訴訟については、2020年度から2024年度の5年間で、加盟者または加盟者であった者から提起された訴えと、本部から提起した訴えがいずれも0件です。書面が示すのは訴訟に至った件数までで、それ以外の係争の有無を保証するものではありません。
ただし中途終了が3年で75店ある事実は、あわせて見ておく必要があります。開示書面に理由の内訳は記載されていないため、事業の不振によるものか、後継者の不在や事業譲渡によるものかは書面からは分かりません。年間20〜30店が契約を中途で終えているという水準は、加盟前に既存オーナーへ話を聞く理由になります。
本部に支払う初期費用は約294万円、ただし別途1,000万円の資金確保が条件
開示書面に記載された、加盟に際して支払う金銭を整理します。
| 項目 | 金額(税別) | 返還 |
|---|---|---|
| 加盟金 | 85万円(ダスキンの他事業に加盟済みなら75万円) | 契約調印後は原則なし |
| 保証金 | 原則なし(加盟店またはその関連企業がケアサービス関連の競合事業を行っている場合のみ50万円) | 該当時は預託 |
| 初期キット(資器材・販促物・帳票類) | 約173万円 | 売買完了後は返還なし |
| 加盟契約代表者研修会 | 1万5,000円/名(ケアサービス5事業のいずれかに加盟済みなら5,000円) | 受講開始後は返還なし |
| 新規加盟店基本研修会 | 20万円/名 | 受講開始後は返還なし |
| 社外施設での研修 | 2万円/名 | 受講済みなら不要 |
| 店舗看板費 | 約8万4,000円(壁面6万円+ドアサイン2枚2万4,000円) | 設置後は返還なし |
| 車両看板 | 約4万円(軽車両・設置費は別途) | 設置後は返還なし |
新規に1名で加盟する場合、本部に関連する初期費用の合計は約294万円になります。同一法人が同一都道府県内に同じ事業を追加出店する場合は加盟金が不要とされているため、多店舗展開では2店舗目以降の入り口が軽くなる設計です。
問題は、これが必要資金の全体像ではないことです。開示書面の「加盟者に課する特別の義務」には、資金の確保について次のように書かれています。事業の展開に先立ち、必要な店舗・資器材・洗剤などと従業員および店舗取得費とは別途に、約1,000万円の資金を確保すること。
図のとおり、加盟金85万円という金額は、必要資金の中では小さな部分を占めるにすぎません。フランチャイズの比較記事は加盟金とロイヤリティを並べて優劣を論じがちですが、ダスキン サービスマスターについては、この1,000万円の資金確保義務を織り込まないと資金計画が成立しません。
公式サイトには、リースを活用すると少額の投資で事業を始められるという記載もあります。ただし金額の表記はページによって異なり、事業運営モデルのページでは約142万円、FC加盟についてのページでは約146万円となっています。いずれにせよこれは開業時に用意する現金を抑える方法の説明であり、資金確保義務がなくなるという意味ではありません。2つの数字は別の話として受け取る必要があります。
毎月の本部支払いは売上の約10%
定期的に支払う金銭も開示書面に記載されています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ロイヤリティ | 総売上の8% |
| 広告分担金 | 総売上の1% |
| 店舗業務システム使用料(売上連動型) | 総売上×0.5%(下限7万円・上限20万円/月) |
| 店舗業務システム使用料(積算型) | 月額2万2,000円(パソコン1台追加ごとに5,000円) |
| 情報連携システム使用料 | 月額5,000円 |
| クレジットカード決済システム使用料 | 月額2,000円(同一法人・同一県内は1法人あたり月額2,000円) |
| iPad端末(本部貸与) | 月額3,600円/台(miniは4,160円/台・契約期間後は2,300円) |
| iPad端末(加盟店所有) | MDM使用料 月額700円/台 |
システム使用料は2方式から選べる設計ですが、ここに注意すべき構造があります。売上連動型の0.5%が下限の7万円に達するのは、月商1,400万円のときです。それ以下の売上帯では、料率がいくら低くても7万円が課されます。積算型の月額2万2,000円と比べると、月4万8,000円の差が生まれます。
売上連動型は機器を本部が準備して貸与し、回線使用料も含まれるため、単純に高いという話ではありません。それでも、開業直後で月商が数百万円の段階では、どちらを選ぶかで年間50万円以上の差になります。この選択が資料請求の段階で説明されるかどうかは、確認しておくべき点です。
これ以外にも、ダスキン全国ケアサービス加盟店会への加入、損害賠償責任団体保険への加入、公益財団法人ダスキン愛の輪基金の会費(法人会員は年12万円)が定期的な支払いとして挙げられています。また、継続的な経営指導にともなう電話代や各種研修会・会議の旅費交通費・食費は、いずれも加盟店の負担とされています。ロイヤリティの支払いが遅れた場合の遅延損害金は年14.6%です。
売上の10%から12%が本部に向かう構造を、人件費・車両費・仕入代金を含めた損益計算にどう織り込むかが、加盟判断の中心になります。上の試算はロイヤリティと各システム使用料までを集計したものなので、実際の負担はここに保険料や会費が加わります。損害賠償責任保険の分担金は、無事故の場合で年額5万5,758円と記載されています(毎年見直しがあり変動する場合があるとされています)。
洗剤も資器材も本部から仕入れる
ロイヤリティと並んで見落とされやすいのが、商品の供給条件です。開示書面によると、加盟店が本部から購入するのは、一定水準以上のサービス技術を保つために必要な洗剤・原材料・資器材と、帳票や販促物です。このほか、培養土や汚物処理キットのようなチェーン独自の顧客向け販売商品と、スポンジや芳香剤などダスキンの他チェーンで扱う一部の商品が斡旋商品として位置づけられています。
仕入れについては、本部の指定する基準にもとづき本部から行うものとすると定められており、仕入先の推奨制度は「該当ありません」とされています。つまり調達先を自分で選ぶ余地はありません。発注は本部指定のコンピュータからオンラインで行い、代金は出荷日の属する取引精算書で請求されたのち、翌月23日に口座振替で支払います。一度発注したものは、本部の責に帰すべき事由がない限り返品できません。
ハウスクリーニングは洗剤と資器材の消耗が続く業態です。売上に対する料率で徴収されるロイヤリティとは別に、この仕入が本部との継続的な取引になります。損益を組み立てるときは、ロイヤリティ8%と仕入原価を分けて把握し、資料請求の段階で主要な資器材と洗剤の単価表を求めておくと精度が上がります。
加盟店1店あたりの年商は概算2,829万円
開示書面の加盟店売上高を、同じ書面の加盟店数で割ると、1店あたりの概算年商が出せます。年度末の店舗数で割った概算であり、期中に開店・閉店した店舗を平均した稼働店舗数ベースの数字ではありません。
| 年度 | 加盟店1店あたり年商(概算) | 月商換算 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 2,651万円 | 221万円 |
| 2022年度 | 2,627万円 | 219万円 |
| 2023年度 | 2,695万円 | 225万円 |
| 2024年度 | 2,829万円 | 236万円 |
3年間で6.7%の伸びです。店舗数も増えているため、店舗を増やしながら1店あたりの規模も上げている状態にあります。
参考までに、直営店の1店あたり概算年商は2024年度で7,600万円と、加盟店の2.7倍にあたります。ただし直営店は24店しかなく、その位置づけや役割は開示書面に説明がないため、加盟店との差が何によるものかは判断できません。加盟を検討するうえでの基準になるのは、あくまで加盟店側の水準です。
平均値の扱いにも注意が必要です。開示書面には、本部は加盟店の売上および収益に関する予測はしないと明記されています。加盟の判断材料としては、既存店舗の実績やモデルを資料として提示するという整理です。全国1,186店の平均は、自分の商圏で見込める売上とは別のものだと考えてください。
契約条件で確認しておくべき点
開示書面から読み取れる契約条件のうち、加盟後の事業運営を左右する項目を整理します。
契約期間は締結の日から4年間です。4年目の途中に3月31日があるときはその日までとされています。期間満了の3か月前までにどちらからも更新しない旨の意思表示がなければ1年間更新され、以後も同じ扱いになります。解約する場合は、本部と加盟店のどちらからでも書面で3か月前までに予告する必要があります。
テリトリーは都道府県単位で設定されます。指定営業地域として当該地域で営業する権利が付与される一方、地域外での事業展開は禁止されます。これは他のFCと比べても明確な制約で、隣県からの依頼を受けられないことを意味します。同時に、指定営業地域は独占的な権利ではなく、将来その地域に本部の直営店や他の加盟店が出店する可能性があるとも書かれています。区域は限定されるが独占はできない、という非対称な設計です。
競業禁止は契約期間中だけでなく、契約終了後18か月間も続きます。範囲は指定営業地域が属する都道府県内で、同一または類似の営業を自ら行うことも、他者に行わせることもできません。清掃業でノウハウを得たあとに独立系へ転換するという出口は、契約上は塞がれています。
事業の実施方法にも制限があります。加盟店は事業を自ら、または自らが直接雇用する従業員のみで実施するものとされ、第三者への名義貸し、下請けの利用、事業の譲渡はいずれも禁止されています。人手を外注で確保して受注量を伸ばすモデルは想定されていません。人材の採用と定着が、そのまま事業規模の上限になります。
本部から解約できる条件も具体的に列挙されています。催告つきの解約となるのは、取引代金など金銭債務の支払いが延滞した場合、事前承認なく30日以上継続して事業活動を行わない場合、本部が定めた方法やシステムによらずに事業を展開した場合、本部の商号を用いて第三者と契約を結んだ場合、本部へ提出すべき報告に故意の虚偽があった場合などです。無催告での解約は、手形や小切手の不渡り、破産や民事再生の申立て、財産や営業の重要部分の第三者への譲渡、刑事訴追、反社会的勢力との関係の判明といった場合に適用されます。
30日以上の営業停止が解除事由に含まれる点は、実務上の意味を持ちます。オーナー自身が現場に立つ体制で、けがや長期の入院があった場合にどう運営を維持するかは、加盟前に考えておくべき論点です。
このほか、本部と協議して設定した売上目標について達成の努力義務を負うこと、損害賠償責任団体保険に加入すること、事業活動上の損失に対する補償制度や経営不振時の補償制度はないことが定められています。
加盟条件・店舗条件と研修
公式サイトに掲載されている加盟条件は、経営理念への賛同と推進、法人契約のみ(個人は要相談)、事業専従者1人以上、加盟基本研修の受講、社外施設研修への参加、指定コンピュータ(オンラインシステム)の設置、ダスキン全国ケアサービス加盟店会への加入です。
店舗条件も具体的に示されています。本部規定の看板を設置できる事務所店舗であること(店舗制限の地域でないこと)、単独店の場合は標準15坪の店舗面積、給排水施設の完備、車両スペース1台以上の4点です。既存事業の店舗との併設も認められています。出店立地は世帯数と事業所数をもとに決定されるとされており、加盟希望者が自由に場所を決める形ではありません。
研修は大阪のダスキンスクールでの基本研修から始まります。加盟契約代表者研修会では経営理念とオーナーとして必要な知識を学び、同時に加盟契約の調印式が行われます。新規加盟店基本研修会では、事業運営に必要な経営・技術・営業の実技と知識を習得します。開業から6か月後には地域研修センターでの追加研修があり、事務員1名の現地研修も必要です。
ベーシックメニューを習得した開業6か月後からは、専攻研修を受講できます。コントラクトサービス、白木サービス、室内抗菌抗ウイルス加工(光触媒)、オゾン脱臭除菌、窓用フィルム施工などが用意されており、対応できるサービスを広げて単価を上げる道筋が制度として組まれています。
開業後の支援としては、本部が必要と判断した場合の巡回訪問、エリア単位のグループ指導、全店の分析資料の提供、電話相談があります。会議体は事業計画発表会が年1回、事業責任者会議が年6回、免許更新研修が3年に1回です。これらに参加する旅費交通費と食費は加盟店の負担になります。
2つの加盟プランをどう読むか
公式サイトでは、フルパッケージとホームパッケージの2つの加盟プランが案内されています。フルパッケージは事業所と家庭のすべての顧客を対象にサービスを提供できる事業パッケージ、ホームパッケージはサービスを限定して初期投資額を小さく抑える小投資パッケージという位置づけです。
プランごとの費用は公式サイトでは画像で示されており、テキストとしては読み取れません。両プランに共通する注記として、加盟時の状況により保証金50万円を預託する場合があること、2026年1月現在の金額であること、消費税を含まないこと、加盟店の営業権は都道府県単位であること、開業には店舗開設・車両・ユニフォーム・指定パソコン設置などの費用が別途必要であることが記載されています。
情報開示書面のほうには、この2プランの区別は現れません。書面が示すのはサービスマスター事業の契約条件そのもので、加盟金85万円もロイヤリティ8%もこの単位で定められています。プランの違いは、対応するサービス範囲と、それにともなう初期キットや資器材の構成の差だと理解するのが自然ですが、書面に明示はないため、実際の費用差は資料請求と個別面談で確認する必要があります。
保証金についても表記が異なります。公式サイトは「加盟時の状況により、保証金(50万円)を預託して頂く場合があります」とだけ書いていますが、開示書面はその条件を「加盟時において加盟店またはその関連企業が本部の主宰統括するケアサービス関連事業と競合する事業を行っている場合」と特定しています。すでに清掃業を営んでいる法人が加盟する場合に該当する条件です。
ハウスクリーニングFCの中でのダスキンの位置づけ
ダスキン サービスマスターの特徴は、法人契約が前提で、都道府県単位のテリトリーを持ち、事業所清掃を含む法人向けの領域までカバーする点にあります。加盟店が1,186店あり、清掃と衛生の分野で認知度の高いブランドを使って事業を立ち上げられる点が、この本部を選ぶ理由になります。定期清掃の契約を積み上げていけば、スポット依頼のみに頼る場合より売上の見通しは立てやすくなりますが、その積み上げができるかどうかは加盟店の営業次第です。
一方で、ロイヤリティ8%と広告分担金1%という料率、約1,000万円の資金確保義務、法人契約という前提、下請け禁止と契約終了後18か月の競業禁止を合わせて見ると、参入のハードルと契約上の拘束はどちらも軽くありません。他社のロイヤリティ水準との比較は、各本部の開示書面や募集要項で個別に確認してください。
自宅開業で一人親方から小さく始めたい場合は、入り口の条件と毎月の負担がより軽い選択肢のほうが現実的です。主要本部の費用とロイヤリティの横並び比較はハウスクリーニングFC比較で整理しています。業態そのものの収益構造はハウスクリーニングのビジネスモデルを参照してください。
加盟を検討する前に確認すべきこと
- 情報開示書面の最新版を入手し、加盟金・ロイヤリティ・システム使用料・違約条項の記載を自分で確認する
- 検討しているプランでの初期キットの内容と金額の内訳を、書面で受け取る
- 約1,000万円の資金確保義務について、何をもって確保とみなすのかを本部に確認する
- システム使用料を売上連動型と積算型のどちらにするか、自分の想定月商で試算して選ぶ
- 指定営業地域の範囲と、その地域に直営店や他の加盟店が出店する可能性について説明を求める
- 契約終了後18か月の競業禁止が、自分の出口戦略と両立するかを検討する
- 下請けを使えない前提で、必要な人員数と採用計画を立てる
- 損益分岐点を、ロイヤリティ8%だけでなく広告分担金・システム使用料・保険料を含めた実額で計算する
- 既存の加盟オーナーから直接話を聞く機会を求め、中途終了した店舗の事情についても質問する
向いている法人・向いていない法人
向いている
すでに法人を持ち、清掃や建物管理に隣接する事業を営んでいる場合は、この条件と相性が良いといえます。既存事業の店舗との併設が認められており、法人顧客との接点も活かせます。
都道府県単位で腰を据えて事業を広げる計画がある場合も適しています。テリトリーが県単位で設定される設計は、その範囲で認知を積み上げていく展開と噛み合います。同一法人が同一都道府県内に追加出店する場合は加盟金が不要とされている点も、複数拠点を前提とする計画では効いてきます。
自社で人を雇い、育てて回す体制を作れる法人にも向いています。研修制度と専攻研修が整っているため、未経験の人材を戦力にする道筋は用意されています。
向いていない
低資金で個人が小さく始めたい場合は合いません。法人契約が前提であるうえ、約1,000万円の資金確保が加盟条件として明記されています。
外注や業務委託で受注量を伸ばすモデルを想定している場合も難しくなります。事業は自らまたは直接雇用の従業員のみで実施するものとされ、下請けの利用は禁止されています。
営業エリアを広げて商圏を選びたい場合にも制約があります。指定営業地域の外では事業を展開できず、その地域の独占も保証されません。将来的に独立系へ切り替える可能性を残しておきたい場合は、契約終了後18か月の競業禁止が障害になります。
訪問型サービスで、加盟店側にできる集客は何か
ハウスクリーニングは、依頼のたびに現場へ出向く訪問型のサービスです。本部の広告分担金は総売上の1%が徴収され、その対価として本部が広告を実施しますが、それは全国のブランド認知を支えるものであって、特定の商圏で今週の予約が埋まることを保証するものではありません。
加盟店側でできることは残っています。地図検索で事業所が正しく表示され、対応エリアとサービス内容が最新であるかは店舗側の運営です。事業所清掃のような法人案件では、地域の管理会社や不動産会社との関係づくりが受注経路になります。家庭向けでは、エアコン清掃や年末の大掃除のように需要が季節で動くため、繁忙期の前に告知を打てているかで稼働率が変わります。定期契約に転換できた顧客が売上の土台になる業態なので、初回のスポット依頼をどう定期につなげるかの設計も、加盟店の裁量に属します。
ここでも都道府県単位のテリトリーは前提になります。県内のどのエリアから優先的に認知を取るかは、世帯数と事業所数の分布を見て決める判断です。
LMPの開業・FC加盟支援サービス
LMP(株式会社ローカルマーケティングパートナーズ)は、清掃を含む地域密着型サービス業の開業・FC加盟を、加盟検討者の立場から支援しています。フランチャイズ本部の加盟店開発を支援するBPOと、開業後の店舗のエリアマーケティング支援の両方を手がけており、折込やポスティングなどのオフライン施策からローカルSEO、リスティング広告までを一気通貫で設計・運用してきた事例があります。
- 開業支援パック — 事業計画・資金調達・開業時集客までをパッケージ化
- エリアマーケティング・ローカルSEO支援 — 本部送客に依存しない自前の集客導線づくり
加盟検討の無料相談では、本部が提示する試算値と実態の差や、契約書・法定開示書面で見落としやすい点を、加盟検討者の立場から整理します。
参考情報
- 株式会社ダスキン「ダスキン サービスマスター フランチャイズチェーン フランチャイズ契約の要点と概説」(情報開示書面・2025年7月1日作成/日本フランチャイズチェーン協会サイト掲載): https://www.jfa-fc.or.jp/fc-g-misc/pdf/166-3.pdf
- 株式会社ダスキン「ダスキンServiceMASTER. フランチャイズオーナー募集」: https://www.duskin.co.jp/fc/care/sm/
- 同「FC加盟について(加盟プラン・加盟条件・店舗条件)」: https://www.duskin.co.jp/fc/care/sm/about/
- 同「事業運営モデル」: https://www.duskin.co.jp/fc/care/sm/model/
- 株式会社ダスキン「加盟店募集(フランチャイズ募集)」: https://www.duskin.co.jp/fc/
- 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」: https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html
- 中小企業庁「特定連鎖化事業(フランチャイズ)について」: https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/franchise.html
関連情報
- ハウスクリーニングFC比較 — 主要本部の費用・ロイヤリティ・選定軸
- ハウスクリーニングのビジネスモデル — 業態構造・市場規模・収益構造
- ハウスクリーニングの開業資金 — 業界平均との比較
- フランチャイズ契約書の注意点 — 法定開示書面と重要条項の見方