Industry HUB / Cafe

カフェ・喫茶のビジネスモデルを徹底解剖

コーヒー・スイーツ・軽食を中心とした店舗営業の業態です。客単価×席数×回転数×営業日数で売上が決まります。コメダ珈琲店のロードサイド型・スターバックスの都市型・個人カフェの個性型など、立地と業態で参入戦略が大きく分かれます。物件取得・建築費が初期投資の中心で、退職金・遊休資産活用型の本格開業が主流です。

市場規模 / 約1.3兆円(コーヒー関連市場全体)初期投資 / 3,000万円(平均)回収期間 / 8年
At a Glance

30秒サマリー

客単価(平均)
900 円
月間案件数(平均)
4,500 件
初期投資(平均)
3,000万円
投資回収期間(平均)
8 年
営業利益率(平均)
10 %
市場規模
約1.3兆円(コーヒー関連市場全体)
Revenue Formula

収益構造の数式

売上 = 客単価 × 席数 × 回転数 × 営業日数

利益 = 売上 - 食材原価 - 賃料 - 人件費 - 設備償却 - 水道光熱 - ロイヤリティ

席数×回転数×営業日数の積で売上が決まる店舗型ビジネスです。コーヒー1杯あたりの粗利率は60〜75%と高い反面、賃料・建築費・席什器の固定費負担が大きく、損益分岐席稼働率に到達するまでが勝負です。スターバックスの都市型・コメダのロードサイド型・スペシャルティの個性型で経営構造が大きく異なります。

Drivers

収益ドライバー(売上を伸ばす3軸)

  • 客単価: ドリンク+フード+物販のクロスセル比率で900円→1,500円帯まで上げられます
  • 席稼働率: 立地・滞在時間設計(コメダ型は長時間OK、駅前は回転重視)
  • 営業時間: 朝食・昼食・カフェタイム・夕食の各時間帯に客層を変えられるか
  • テイクアウト・デリバリー比率: 都市部はテイクアウト30%超で回転数を補完できます
Cost Structure

コスト構造・資本特性

コスト構造

固定費比率
55〜70%
変動費比率
30〜45%

賃料・席什器償却・正社員人件費が固定費の中心です。粗利率は高めですが、長時間滞在型のコメダ・個人カフェは席回転数の上限が低いため固定費比率が高くなります

資本・労働特性

資本集約度
重資本(500万〜1.2億円)。ロードサイド型は土地+建物で1億円超、都市型テナントでも建築・内装工事が3,000万円超になります
労働集約度
中程度です(バリスタ・ホール・キッチンの人員配置で運営できますが、ピーク時のクオリティ維持が論点になります)。
スケール上限
1店舗で月商400〜2,000万円が標準です。複数店舗展開で月商1億円超を狙えますが、ブランド統一とオペレーション標準化が壁になります
入金サイクル
BtoCの即日現金回収・キャッシュレス比率上昇で資金繰りは安定しています。食材仕入は月末締め翌月末払いが標準です
Value Chain

バリューチェーン

仕入・サプライヤー: コーヒー豆(焙煎業者・直接輸入)/食材(パン・スイーツ・ドリンク資材)/店舗什器(席・テーブル・抽出機)

業務オペレーション: 豆仕入→焙煎(自家焙煎or仕入)→抽出→提供→決済→片付け。スペシャルティ系は焙煎工程まで内製化が標準

顧客接点・流通: 店内飲食(70〜85%)/テイクアウト(10〜25%)/豆・物販販売(5〜10%)

重要パートナー
  • コーヒー豆業者(UCC・キーコーヒー・ボストン・自家焙煎業者)
  • パン・スイーツ業者(フジパン・敷島製パン・地場ベーカリー)
  • デリバリー大手(Uber Eats・出前館)
  • FC本部(コメダ・ドトール・サンマルク等のロイヤリティ・調達網)
Competitive Landscape

競争環境

中〜寡占市場です。スターバックス・ドトール・コメダの3強+タリーズ・サンマルク・上島の中堅+無数の個人スペシャルティが混在しています

上位5社シェア合計
約45%(上位5社合計)
新規参入脅威
高(個人カフェは500万円〜参入可能。スペシャルティ系は技術次第で差別化できます)
代替品脅威
高(コンビニコーヒー100円台が直接競合・自宅エスプレッソマシンも代替)
買い手交渉力
高(顧客はカフェ間の乗り換えが容易)
サプライヤー交渉力
中(豆業者は寡占気味、スペシャルティ系は直接輸入で差別化可)
KSF

Key Success Factor

  1. 業態選択(コーヒーチェーン/カフェレストラン/スペシャルティ/ベーカリー/喫茶)と立地・商圏の整合
  2. 立地(駅前・ロードサイド・商業施設・住宅街)と席数設計の最適化
  3. コーヒー豆の差別化(自家焙煎・スペシャルティ・産地ブランディング)
  4. FC加盟の場合は固定費を上回る客数の確保(朝食〜夜カフェの全時間帯活用)
  5. テイクアウト・モバイルオーダーで都市型は回転数を補完
Entry Barriers

参入障壁

規制・許認可食品衛生法に基づく営業許可(喫茶店営業許可 or 飲食店営業許可)が必要です。深夜営業(24時超のアルコール提供)は別途届出が必要です
資本要件個人カフェ500万円〜、FC加盟3,000万〜1.2億円が標準です
ノウハウバリスタ技術・焙煎技術習得は半年〜2年、店舗運営は1〜3年です
ブランド個人カフェはゼロから口コミ蓄積に1〜2年。FC加盟で初日からブランド利用可能です
集客チャネルInstagram・MEO・口コミでの認知獲得は3〜6ヶ月で立ち上がります
Trends & Shifts

業界トレンド・構造変化

  • コンビニコーヒー(100円台)の台頭で個人カフェ・低価格コーヒーチェーンは差別化を迫られています
  • スペシャルティコーヒー・サードウェーブ系が客単価1,500円超で急成長しています(ブルーボトル等)
  • コメダ珈琲店が国内1,000店舗超を達成し、FC比率97%の堅実拡大が継続しています
  • ベーカリーカフェがコーヒーチェーンと食事ニーズの中間を取り込み、客単価を上げています
  • 純喫茶・昭和レトロ業態がZ世代に再評価され、継承・再生型の起業が増えています
  • デリバリー・モバイルオーダー比率の向上で都市型は店舗オペレーション再設計が進んでいます
Listed Companies

カフェ・喫茶業界の主要上場企業

EDINET(金融庁の有価証券報告書)から取得し、当サイトで整理した上場企業の直近有報データです。決算書そのものは EDINET 上で書類検索でご確認いただけます(リンク先の文書URLは一定期間で変わるため、当サイトでは主要数値をローカルに整理して掲載しています)。加盟検討や競合分析の一次情報としてご活用ください。

企業名証券コード売上高経常利益率自己資本比率従業員数直近有報期末
ドトール・日レスホールディングス30871488億円6.5%77.5%2,767人2025-02-28
銀座ルノアール985378億円1.6%51.9%152人2025-03-31
コメダホールディングス3543471億円18.3%43.1%565人2025-02-28
サンマルクホールディングス3395709億円5.4%43.2%1,087人2025-03-31

出典 EDINET(金融庁)有価証券報告書/取得日 2026-05-17。売上高・経常利益率・自己資本比率・従業員数は各社の直近有報(連結優先、単体fallback)より。実数値の最新・正確な内容は各社の有価証券報告書・IR資料でご確認ください。

この数字の読み方|上場企業データを開業判断にどう使うか

カフェの上場企業は「FCで儲ける本部」と「直営で薄利の運営企業」が混在し、利益率の差が大きく出ます。どれが何のモデルかを分けて読むと、自分の店の参考になります。

高い利益率はFC本部のロイヤリティ収益|コメダ18.3%の正体

コメダの経常利益率18.3%は、加盟店から得るロイヤリティや卸売を中心としたFC本部のモデルだから高く出ます。これは「コメダに加盟した一店舗の利益率」ではなく「本部の利益率」です。加盟店側はロイヤリティを払う側なので、同じ18%が手元に残るわけではありません。

直営中心のチェーンは利益率が下がる|ルノアール1.6%・ドトール6.5%

銀座ルノアール(経常利益率1.6%)は都心の直営喫茶で、家賃・人件費の固定費が重く利益率は低めです。ドトール日レス(6.5%)は直営とFCの混合です。直営は店舗を自分で抱えるぶん、本部型より利益率が下がる構造になります。個人でカフェを開く場合はこの「直営側」に近く、客単価約900円・営業利益率10%前後が現実的な目安です。

上場データの使いどころ|FCか個人開業かで見る数字が変わる

コーヒー関連市場は約1.3兆円。FC加盟を検討するなら本部(コメダ・サンマルク等)の規模・自己資本比率で本部の体力を測り、個人開業なら直営チェーンの利益率の薄さが「立地と固定費の管理が肝」というヒントになります。自分の店の採算は、客単価×回転×原価で固めます。

業界財務指標 (中央値ベース)

カフェ・喫茶業界の上場 4 社の直近有報「経営指標等」セクションから抽出した中央値です。外れ値の影響を抑えた業界実態の参考値としてご利用ください。

指標中央値
売上高590億円
経常利益率6%
ROE (自己資本利益率)8.3%
自己資本比率47.6%
従業員数 (単体)826人
業界合計売上 (参考)2746億円

出典 EDINET 有価証券報告書「経営指標等」セクションより自動抽出 (連結優先、単体fallback)/取得日 2026-05-17

Headquarters

カフェ・喫茶業界 主要企業の本店所在地

国税庁の法人番号公表サイトから取得した、業界主要企業の登記情報です。本店所在地と法人番号は公的記録に基づくため、取引前の事業者確認や所在地の事実確認に利用できます。

商号法人番号本店所在地郵便番号指定日
株式会社ドトール・日レスホールディングス2011001053983東京都渋谷区猿楽町10番11号〒150-00332015-10-05
株式会社コメダホールディングス2180001116676愛知県名古屋市東区葵3丁目12番23号〒461-00042015-10-05
株式会社サンマルクホールディングス4260001004499岡山県岡山市北区平田173番地104〒700-09522015-10-05
株式会社銀座ルノアール6011201015210東京都中野区中央4丁目60番3号〒164-00112015-10-05

出典 国税庁 法人番号公表サイトWeb-API V4/取得日 2026-05-15

このサービスは、国税庁法人番号システムWeb-API機能を利用して取得した情報をもとに作成しているが、サービスの内容は国税庁によって保証されたものではない

Regulations

関連法規・規制

  • 食品衛生法(喫茶店営業許可 or 飲食店営業許可・食品衛生責任者の配置義務)
  • 労働基準法(アルバイト中心の労務管理・最低賃金遵守)
  • 受動喫煙防止法(カフェ・喫茶店は禁煙が原則・分煙ブースの設置基準)
  • 景品表示法(『満足度No.1』『業界No.1』等の表示には合理的根拠が必須)
  • 深夜酒類提供飲食店営業届出(24時超のアルコール提供時)
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(メイドカフェ・コンセプトカフェ等)
Market Size

市場規模・成長性

市場規模: 約1.3兆円(コーヒー関連市場全体)

成長率: 横ばい〜年1%成長

全日本コーヒー協会の統計と矢野経済研究所のコーヒー市場レポートをもとに整理しました。スペシャルティコーヒー・サードウェーブ系は伸長していますが、コンビニコーヒーとの競合で個人カフェは厳しい局面が続いています。

業態別の市場規模・成長率

業態市場規模成長率
コーヒーチェーン(スタバ・ドトール・コメダ等) 約6,000億円 年2〜3%
カフェレストラン・複合カフェ 約2,500億円 年1〜2%
個人カフェ・スペシャルティ系 約1,500億円 年5〜8%
ベーカリーカフェ 約1,500億円 年2〜3%
純喫茶・昭和喫茶 約1,500億円 横ばい〜微減
Commercial Area

商圏・立地特性

業態タイプ
都市型(駅前・繁華街路面・商業施設テナント)/ロードサイド型(駐車場併設)/住宅街型(地域密着)の3パターンが標準です
商圏半径・移動圏
都市型: 半径500m〜1km / ロードサイド: 半径3〜8km / 住宅街型: 徒歩10分圏
商圏人口
業態と立地により異なります(後述: segments別商圏人口)
商圏世帯数

都市型は通行量・オフィス集積で売上が決まります。ロードサイド型は車での来店圏で広い駐車場が必須です。住宅街型は近隣世帯の固定客化で経営が成り立ちます。

Segments & Players

業態区切りと主要プレイヤー

カフェ・喫茶業界は単一市場ではなく、複数の業態に分かれています。業態ごとに商圏人口・1店舗売上・主要プレイヤーが異なります。

コーヒーチェーン

市場規模 約6,000億円

スターバックス・ドトール・タリーズ・サンマルク・カフェ・ベローチェ・倉式珈琲店等の大手コーヒーチェーンです。FC比率はチェーンにより大きく異なり、スターバックスは100%直営、ドトールはFC中心、コメダはFC比率97%です。

客単価
500〜800円/客
商圏人口・規模
商圏人口5〜15万人(駅前・商業施設・ロードサイド)
1店舗・1ユニットで作れる売上目安
1店舗 月商600〜1,500万円 / 月間客数12,000〜25,000人
主要顧客層
サラリーマン・学生・主婦・シニア(時間帯で客層変化)

この業態のKSF: 立地(駅前・オフィス街・商業施設)/オペレーション標準化/ブランド差別化

この業態の主要プレイヤー(タイプ別)

大手チェーン(直営)

  • スターバックス/国内約1,900店舗(100%直営)
  • タリーズコーヒー/国内約760店舗
  • カフェ・ベローチェ/国内約170店舗
  • 上島珈琲店/全国120店舗超

FC本部(フランチャイズ)

  • ドトールコーヒー/国内約1,100店舗
  • サンマルクカフェ/国内約400店舗
  • 倉式珈琲店/全国150店舗超

カフェレストラン・複合カフェ

市場規模 約2,500億円

コメダ珈琲店・星乃珈琲店・むさしの森珈琲等の食事メニュー併設型カフェです。モーニング・ランチ・カフェタイム・ディナーの全時間帯で売上を作るモデルで、ロードサイド型が主流です。

客単価
900〜1,500円/客
商圏人口・規模
商圏人口10〜20万人(ロードサイド・駐車場併設)
1店舗・1ユニットで作れる売上目安
1店舗 月商1,500〜3,000万円 / 月間客数13,000〜25,000人
主要顧客層
ファミリー・シニア層(長時間滞在型)

この業態のKSF: 席数50〜80席のロードサイド物件確保/モーニング集客/長時間滞在を許容するシート設計

この業態の主要プレイヤー(タイプ別)

大手チェーン(直営)

  • 星乃珈琲店/国内約280店舗
  • むさしの森珈琲/全国80店舗超
  • サザコーヒー/茨城・首都圏中心
  • デニーズ・カフェ系

FC本部(フランチャイズ)

個人カフェ・スペシャルティ系

市場規模 約1,500億円

ブルーボトルコーヒー・サードウェーブ系・地場個人スペシャルティの業態です。豆の質と抽出技術で差別化し、客単価1,200〜2,000円帯を狙います。SNS発信での集客が中心です。

客単価
800〜2,000円/客
商圏人口・規模
商圏人口10〜30万人(カフェ激戦区・観光地・住宅街)
1店舗・1ユニットで作れる売上目安
1店舗 月商300〜800万円 / 月間客数3,000〜8,000人
主要顧客層
20〜40代のコーヒー愛好者・SNS発信層・観光客

この業態のKSF: 豆の選定・焙煎技術/バリスタの育成/Instagram・口コミでの認知獲得

この業態の主要プレイヤー(タイプ別)

大手チェーン(直営)

  • サザコーヒー/茨城・首都圏中心
  • ブルーボトルコーヒー/国内約30店舗

独立系多店舗

  • STREAMER COFFEE COMPANY/首都圏中心
  • ONIBUS COFFEE/首都圏中心

独立系1〜2店舗・個人

  • Fuglen Tokyo/渋谷・浅草
  • 地場個人スペシャルティ(数千店)
  • 個人カフェオーナー(数万社)

ベーカリーカフェ

市場規模 約1,500億円

サンマルク(ベーカリー併設)・PAUL・ヴィ・ド・フランス等のベーカリー併設カフェです。焼きたてパンの香りと購買体験で集客し、イートインで客単価を上げるモデルです。

客単価
700〜1,200円/客
商圏人口・規模
商圏人口10〜20万人(駅前・商業施設)
1店舗・1ユニットで作れる売上目安
1店舗 月商800〜2,000万円 / 月間客数12,000〜25,000人
主要顧客層
ファミリー・主婦層・サラリーマン(朝食・昼食需要)

この業態のKSF: ベーカリー職人の確保・育成/焼成スケジュール最適化/カフェスペースの設計

この業態の主要プレイヤー(タイプ別)

大手チェーン(直営)

  • PAUL(ポール)/国内30店舗超
  • ヴィ・ド・フランス/全国200店舗超
  • アンデルセン/全国30店舗超
  • リトルマーメイド・ジャーマンベーカリー系

FC本部(フランチャイズ)

  • サンマルクカフェ/国内約400店舗
  • ベーカリーレストラン サンマルク/直営30店舗・FC8店舗・計38店舗(本部公表)

純喫茶・昭和喫茶

市場規模 約1,500億円

個人経営の喫茶店、昭和レトロを売りにした老舗喫茶店です。店主の人柄と固定客の関係性で経営が成り立つ業態で、新規参入は難しい一方、既存店舗の継承で起業するケースが増えています。

客単価
600〜1,200円/客
商圏人口・規模
商圏人口5〜15万人(住宅街・駅前裏通り)
1店舗・1ユニットで作れる売上目安
1店舗 月商150〜400万円 / 月間客数2,500〜6,000人
主要顧客層
シニア・地元固定客・観光客(昭和レトロ目当て)

この業態のKSF: 店主の人柄・接客/長年の固定客関係/低コスト運営(自宅併設等)

この業態の主要プレイヤー(タイプ別)

独立系1〜2店舗・個人

  • 地場個人スペシャルティ(数千店)
  • 地場純喫茶(数千店)
  • 昭和レトロ喫茶(再生・継承型)
  • 個人カフェオーナー(数万社)
Benchmark

業界平均ベンチマーク

指標 最小 平均 最大
客単価 500 円 900 円 2,000 円
月間案件数 2,000 客 4,500 客 8,000 客
稼働率 30 % 50 % 70 %
粗利率 55 % 65 % 75 %
営業利益率 5 % 10 % 15 %
Initial Investment

初期投資の内訳

平均 3,000万円(最小 800万円 〜 最大 12,000万円)

項目 最小 最大 備考
物件取得費(保証金・礼金) 100万円 2,000万円 都心一等地は跳ねる
建築・内装工事 300万円 8,000万円 ロードサイド型は土地+建物で1億円超
FC加盟金(FCの場合) 0万円 500万円 コメダ等
厨房設備・什器 200万円 1,500万円 焙煎機・エスプレッソマシン・席什器
運転資金(3〜6ヶ月分) 200万円 800万円 立ち上げ期赤字を吸収
Patterns

成功・失敗パターン

成功パターン

  • ロードサイド型で広い駐車場・長い滞在時間を武器に固定客化(コメダモデル)
  • 退職金・遊休資産で物件取得し賃料負担をゼロにして黒字化
  • 豆販売・テイクアウト・物販で店内売上以外の収益を上乗せ
  • サードウェーブ・スペシャルティ路線で客単価2,000円超に引き上げ

失敗パターン

  • 都心一等地の高額家賃を吸収できず開業1年以内に撤退
  • コンビニコーヒー・チェーンとの価格競争に巻き込まれ単価が下落
  • 席数は多いが回転数が伸びず、人件費・水道光熱費で粗利が消える
  • オーナー1人運営で休めず、長時間労働で疲弊・閉店
Editorial Analysis

編集部の独自分析|本部資料には出てこない収益の実態

本部の募集資料が見せる年商例の裏側にある収益構造と参入リスクを、LMPのFC加盟店開発BPOの実務経験からカフェ・喫茶業界に即して整理します。

カフェ・喫茶は本当に儲かるのか(収益の実態)

結論からお伝えすると、儲かるかどうかは業態と立地で大きく分かれ、本部の年商例がそのまま当てはまる店は限られます。本部の募集資料に載る年商例(コメダで年商4,000万円など)はロードサイドの大型店舗(90席・駐車場20〜30台)の数字で、駅前の小型店舗やテナント店舗では同じFCでも収益構造が大きく異なります。FC加盟者が直面しやすい課題は、本部が客回転数3〜5回転の理想モデルを訴求する一方、実態は2〜3回転にとどまるケースが多い点です。さらにコンビニコーヒー(100円台)の台頭で個人カフェや低価格チェーンは差別化を迫られ、サードウェーブやスペシャルティで客単価1,500〜2,000円帯まで上げられないと厳しい構造になります。アルバイト中心の労務管理は2024年以降の最低賃金上昇で人件費の圧迫が続いており、オーナー1人運営の長時間労働は5年以内の閉店率を押し上げる要因です。

業界構造の見立て

カフェ・喫茶業界は、客回転数・席数・客単価で売上が決まるフロー型ビジネスで、立地と業態選択によって必要資金が3〜10倍も変わる極端な分散構造を持っています。スターバックス・ドトール・コメダの3強で上位5社シェア(CR5)が約45%の中〜寡占市場ですが、業態(コーヒーチェーン・カフェレストラン・スペシャルティ・ベーカリー・喫茶店)ごとに資金規模が1,000万〜1億円超まで幅があり、どの業態に挑むかで構造がまったく変わります。コメダ珈琲店の『1席あたり1,500円の定額ロイヤリティ』は他業種にない独自設計で、ロードサイドの大型業態(90席型)なら月商600〜1,000万円帯まで安定して伸ばせる一方、初期投資は1億円規模になります。

他業界と比べたときの独自性

この業界の独自性は、立地への依存度が極端に高い点にあります。ハウスクリーニングや整体は立地よりも商圏設計・集客で売上が決まりますが、カフェは立地が経営の8割を決めます。ロードサイド型(コメダ・サンマルク)は駐車場・視認性・幹線道路へのアクセスが重要で、店舗型小売(コンビニ)に近い立地評価が必要です。スペシャルティ系(ブルーボトル・% Arabica)はサードウェーブとして客単価1,500円超を維持し、個人色が強くFC化が進みにくい業態です。ベーカリーカフェはコーヒーと食事の中間需要を取り込む構造で、ハンバーガーチェーン(マクドナルド・モス)との競合関係も意識する必要があります。コメダのFC比率97%は飲食業界では突出して高く、本部依存ではなく加盟者主導の店舗運営文化が形成されています。

LMP編集部からの実務的アドバイス

LMPのFC加盟店開発BPOの実務経験では、カフェFC加盟者の収益は、立地(視認性・駐車場・幹線アクセス)・業態(ロードサイド大型か駅前小型か)・時間帯活用(朝食・ランチ・夜カフェの3層)の組み合わせで決まります。コメダの『1席あたり1,500円の定額ロイヤリティ』は売上が伸びても固定費化される構造で、月商800万円超のロードサイド型で粗利率が改善する設計です。本部の年商シミュレーションを見るだけでなく、自分の商圏で駐車場を20台以上確保できる物件か、朝食・ランチ・夜の3つの時間帯すべてで客が入る立地か、退職金や遊休資産で初期投資1億円を吸収できるかを、ご自身で検証することをおすすめします。

Fits For

この業界に向いている人

  • 退職金・遊休資産で物件取得できる経営者
  • 長時間滞在型の接客業に適性がある人
  • 豆・スイーツ・物販で複合収益を組める人
FC Options

フランチャイズ加盟という選択肢

ブランド 加盟金 ロイヤリティ 基本初期費用
コメダ珈琲店 300万円 1席1,500円/月(定額) 8,000万〜1.2億円
ドトールコーヒー 200万円〜 売上の2〜3% 約2,500万円〜
サンマルクカフェ (個別相談) 個別契約 規模により変動

※ FC比較の詳細は カフェ・喫茶 FC比較 を参照

FC加盟条件の読み方|加盟金より「ロイヤリティ方式と総額」で見る

同じ「ロイヤリティ」でも、定額制と歩合制では損益のかかり方が逆になります。自分の想定売上で有利・不利が変わるので、方式の違いから読みます。

定額ロイヤリティ(コメダ1席1,500円)は繁盛店ほど有利

コメダ珈琲店のロイヤリティは1席あたり月1,500円の定額で、売上に連動しません。90席なら月13.5万円が固定で、売上を伸ばすほど手元に残る構造です。逆に、集客が苦しい立ち上げ期は売上が低くても同じ固定費がかかるため、初期の資金繰りには重く効きます。

歩合ロイヤリティ(ドトール売上2〜3%)は立ち上げが軽く、繁盛で負担増

ドトールのロイヤリティは売上の2〜3%で、売上連動です。開業初期は売上が低いぶん支払いも小さく、立ち上げの負担が軽くなります。一方で繁盛するほど支払い額も増えます。定額と歩合のどちらが得かは、自分の想定売上と席数で試算して初めて決まります。

加盟金より「総初期費用と回収年数」で見る|個別相談は法定開示書面で確認

コメダは加盟金300万円でも、建築工事費込みで総額8,000万〜1.2億円規模の投資になります。判断は加盟金の大小ではなく、総額・月々の返済・損益分岐に必要な客数で行います。サンマルクのように条件が「個別相談」の本部は、中小小売商業振興法に基づく法定開示書面(契約前に交付)で、ロイヤリティ算定方式・契約期間・中途解約の条件を必ず確認してください。

Subsidies

使える補助金

  • 小規模事業者持続化補助金(販路開拓・店舗改装)
  • IT導入補助金(POS・予約・キャッシュレス決済)
  • 事業再構築補助金(業態転換・新店舗)
Cross-Industry Rankings

業界別 横断ランキングでカフェ・喫茶を比較

カフェ・喫茶業を他業界と比較したい方向けに、13業界横断のランキング記事を用意しています。