この記事の目次
  1. 加盟時に払う金銭は、契約タイプで倍近く違う
  2. ローソン・チャージは累進で、タイプによって形が違う
  3. 総荒利益高は、一般的な粗利益とは違う
  4. 最低保証は4通りある
  5. 契約は10年。更新はなく、再契約は合意が要る
  6. 中途解約金は、続けた年数で変わる
  7. 24時間営業が原則。16時間までは短縮できる
  8. 販売価格は加盟者が決める
  9. テリトリー権はない
  10. 売上金は毎日全額を本部に預ける
  11. 出退店の実数と、訴訟件数
  12. 研修とサポート、連帯保証人
  13. 本部の規模
  14. 加盟を検討するときの材料
  15. 加盟検討者の方へ
  16. 参考情報
  17. この業界の関連情報
FAQ

よくある質問

ローソンのフランチャイズの加盟金はいくらですか?

情報開示書面によると、契約タイプで変わります。加盟者が自ら店舗を用意するFC-Bnは、研修費55万円と開店準備手数料55万円を合わせた110万円(いずれも税込)です。本部が用意した店舗で経営するFC-Cnは、この110万円に商品代金の一部としての出資金100万円が加わり、総額210万円になります。どちらも別途、契約時に印紙代4,000円がかかります。さらに加盟金とは別に、開店に伴う準備金として100万円程度を用意する必要があります。各種営業許可申請、一般酒類小売業免許申請、電話架設、従業員募集広告、オープン前のクルー研修期間の人件費、釣銭資金などに充てるもので、内容により増えることがあります。

ローソンのロイヤリティ(ローソン・チャージ)は何%ですか?

ローソン・チャージは総荒利益高にチャージ率を掛けて計算します。率は累進で、契約タイプによって異なります。FC-Bnは月間概算総荒利益高300万円までが41%、300万1円〜450万円が36%、450万1円〜600万円が31%、600万1円からが21%です。FC-Cnは45%、70%、60%の3段階で、中間の帯がもっとも高くなります。これらは24時間営業の場合の率で、営業時間が24時間に満たない店舗は各率に3%加算されます。ここでいう総荒利益高は一般的な粗利益とは違い、値引販売・商品廃棄(見切・処分)の原価と棚卸ロスの原価を売上原価から差し引いて計算します。差し引かれた分は加盟者の営業経費として計上されます。

ローソンFCの最低保証はいくらですか?

最低保証制度は、加盟者に契約違反がなく本部と加盟者で最善の努力がなされたにもかかわらず年次フランチャイジー収入が基準額を下回った場合に、ローソン・チャージを減額して補填する制度です。基準額は契約タイプと営業時間で4通りに分かれます。FC-Bnは24時間営業なら年間1,980万円、24時間営業でなければ1,680万円。FC-Cnは24時間営業なら1,860万円、そうでなければ1,560万円です。これはフランチャイジー収入(総荒利益高からチャージを引いた額)の保証であり、そこから人件費・水道光熱費・見切処分・棚卸ロスなどの営業費を引いた店利益を保証するものではありません。営業日数が暦日数に満たない場合は日割りになります。

ローソンFCの契約期間は何年ですか?途中でやめられますか?

契約期間は、新規オープン日の属する月の初日から満10カ年目の日までです。開示書面はオープン日が2026年4月15日なら終了日は2036年3月31日と例示しています。契約は満了で終了し、更新はありません。契約終了の6カ月前までに本部と加盟者が合意した場合に、最新の契約書で再契約します。合意に至らなければ再契約はしません。中途解約は、6カ月前までに書面で通知すればできますが、加盟者から申し入れる場合は中途解約金がかかります。オープンから3年未満なら過去1年間の平均チャージの5カ月分、3年以上5年未満なら3カ月分、5年以上なら1カ月分で、いずれにも店舗閉鎖に伴う諸経費100万円が加わります。

ローソンFCは営業時間を短くできますか?

開示書面には「通年営業、24時間営業です」と定められています。ただし注記があり、加盟者が申し出た場合、加盟者と本部で協議し合意のうえで、1日16時間を下回らない範囲で営業時間を変更できるとされています。時短にした場合、最低保証の基準額は下がります。FC-Bnは1,980万円から1,680万円へ、FC-Cnは1,860万円から1,560万円へと、いずれも300万円分低くなります。あわせてチャージ率も各率に3%加算されます。時短にすると保証の下限が下がり、チャージ率は上がる関係です。

Chain Profile

チェーン基本情報

チェーン名ローソン
業種コンビニエンスストア
初期費用FC-Bn 加盟金110万円(研修費55万+開店準備手数料55万・税込)/FC-Cn 加盟金110万円+出資金100万円=計210万円。いずれも別途、開店に伴う準備金100万円程度と印紙代4,000円/情報開示書面
ロイヤリティローソン・チャージ=総荒利益高×チャージ率(累進)。24時間営業の場合、FC-Bn 41%/36%/31%/21%、FC-Cn 45%/70%/60%。営業時間が24時間に満たない店舗は各率に3%加算。総荒利益高は一般的な粗利益と異なり、見切・処分と棚卸ロスの原価を売上原価から差し引いて算出する/情報開示書面

ローソンの加盟を考えるとき、最初に知りたいのは「いくらかかって、毎月いくら本部に渡り、途中でやめられるのか」だと思います。コンビニのFCは契約タイプが複数あり、タイプによって条件が変わるので、まずどのタイプの話なのかを押さえる必要があります。

株式会社ローソンは、日本フランチャイズチェーン協会のサイトで情報開示書面(フランチャイズ契約の要点と概説)を契約タイプごとに2種類公開しています。FC-Bn(加盟者が自ら店舗を用意する)とFC-Cn(本部が用意した店舗で加盟者が経営する)で、それぞれ25ページ、発行日はいずれも2026年6月です。この記事の契約条件と金額は、この2つの書面で確認したものです。当編集部の計算や解釈は、その都度そう明記します。

コンビニエンスストアは小売業なので、中小小売商業振興法にもとづく情報開示書面の交付義務の対象です。

加盟時に払う金銭は、契約タイプで倍近く違う

契約締結時に本部へ支払う金銭です。

名目FC-BnFC-Cn性質
研修費55万円(税込)55万円(税込)スクール・ストアトレーニングに参加してローソンのシステムを修得する際にかかる費用
開店準備手数料55万円(税込)55万円(税込)本部による開店準備の諸作業にかかる手数料
出資金100万円商品代金の一部
総額110万円210万円

このほか、契約に際して別途印紙代4,000円がかかります。研修費は専従者2名分で、3名以上受講する場合は追加1名につき27万5千円(税込)が必要です。研修費には教材費・宿泊費・交通費の一部が含まれます。

そして加盟金とは別に、開店に伴う準備金として100万円程度を用意します。開示書面が挙げているのは、契約店舗の各種営業許可申請、一般酒類小売業免許申請、電話架設、従業員募集広告、新規オープン前のクルー(アルバイト従業員)研修期間の人件費などの各費用、および釣銭資金です。各費用の内容等により金額が増加することがある、と注記されています。

したがって開業時に本部関係で用意する金額は、FC-Bnで約210万円、FC-Cnで約310万円が目安になります(当編集部が加盟金と準備金を合算したもので、本部が合計額として公表している数字ではありません)。FC-Bnは自分で土地建物を用意するため、この額とは別に物件の費用がかかります。

返還されるかどうかは、やめる理由とタイミングで変わる

状況返還されるもの
加盟者の都合でオープン前に解約加盟金110万円は返還されない。FC-Cnの出資金100万円は返還される
本部の都合でオープン前に解約FC-Cnは加盟金110万円と出資金100万円の計210万円が返還される
契約が終了したとき加盟金(FC-Cnは出資金を含む計210万円)は返還されない
新規オープン前研修で本部が契約履行不能と判断したときFC-Bnは加盟金110万円のうち開店準備手数料の全額55万円と研修費の半額27万5千円の計82万5千円。FC-Cnはこれに出資金100万円を加えた計182万5千円が返還される

契約終了時に本部勘定を相殺した結果、本部に債務がある場合はその金額が加盟者に返還されます。

ローソン・チャージは累進で、タイプによって形が違う

ロイヤリティにあたるのがローソン・チャージです。開示書面の定義では「店舗営業のための商品商標・サービスマークの使用、設備の貸与、加盟店に提供するサポート等の対価」で、契約店舗における一定期間の総荒利益高にチャージ率を掛けて計算します。

チャージ率は総荒利益高の帯ごとに変わる累進で、FC-BnとFC-Cnで段の数も動き方も違います。

以下は24時間営業の場合の率です。

月間概算総荒利益高FC-BnFC-Cn
1円〜300万円41%45%
300万1円〜450万円36%70%
450万1円〜600万円31%60%
600万1円〜21%60%

両方の書面に同じ注記があります。

営業時間が24時間に満たない店舗は、上記チャージ率に3%加算したものがチャージ率になります。

時短営業にすると、上の率がそれぞれ3ポイント上がります(FC-Bnなら44%/39%/34%/24%、FC-Cnなら48%/73%/63%)。

ローソン・チャージ率(24時間営業の場合・総荒利益高の帯別) FC-Bn FC-Cn 41% 45% 〜300万円 36% 70% 300万〜 450万円 31% 60% 450万〜 600万円 21% 60% 600万円〜

FC-Cnは450万1円以上が一つの帯(60%)です

株式会社ローソンの情報開示書面(FC-Bn版・FC-Cn版、いずれも発行日2026年6月)より。年間・四半期の帯はこの12倍・3倍にあたります。営業時間が24時間に満たない店舗は各率に3%加算されます。

FC-Bnは帯が上がるほど率が下がる形です。一方FC-Cnは中間の帯(300万1円〜450万円)が70%でもっとも高く、その上の帯で60%に下がります。単純に「売れるほど率が下がる」形ではありません。

開示書面に載っている計算例

書面には、月間総荒利益高500万円・24時間営業の場合の計算例が両タイプとも掲載されています。

FC-BnFC-Cn
1円〜300万円300万円×41%=123万円300万円×45%=135万円
300万1円〜450万円(450万−300万)×36%=54万円(450万−300万)×70%=105万円
450万1円〜(500万−450万)×31%=15.5万円(500万−450万)×60%=30万円
合計192.5万円270万円

同じ総荒利益高500万円でも、本部に渡る額は77万5千円違います(当編集部が書面の計算例の差を取ったもの)。年に直せば930万円です。

チャージは毎月末締め分を当該月末に受領し、加盟者が送金する売上金等から本部勘定を通じて相殺されます。四半期の精算では四半期チャージを計算し、すでに決済された月間チャージの累計との差額を精算します。

総荒利益高は、一般的な粗利益とは違う

ここがコンビニFCの収支を理解する要になります。開示書面は次のように明記しています。

総荒利益高は、ローソン・チャージを求めるために採用している計算方法で、一般的な粗(荒)利益高とは異なります。 総荒利益高の計算に当たっては、値引販売・商品廃棄(見切・処分)の原価や実地棚卸に基づく商品在庫の増減額(棚卸ロス)の原価は、売上原価から差し引きますので、売上原価には含まれず、加盟者の営業経費として計上します。

計算式は次のとおりです。

総荒利益高 = 売上高 - 総売上原価
          = 売上高 -{売上原価 -(見切・処分原価 + 棚卸ロス原価)}

廃棄した商品や値引きした分の原価が、売上原価から取り除かれます。売上原価が小さくなる分、チャージの計算に使う総荒利益高は押し上げられる方向に働きます(当編集部の整理)。取り除かれた原価は加盟者の営業経費として計上されるため、廃棄の負担は加盟者側に残ります。

算定方法についても注記があります。見切・処分原価、棚卸ロス原価、期末在庫高原価の算定には売価還元法(ファストフーズ、まちかど厨房では総平均法)が採用されます。ただし棚卸ロスのうち商品売上の1.2%を超える部分は、原価ではなく売価で計算します(ファストフーズ、まちかど厨房はこの計算から除かれます)。

開示書面には、加盟者がフランチャイズ契約上負担する経費が一覧で示されています。

  • パートタイマー給与、法定福利費(健康保険料・厚生年金掛金・労働保険料等)
  • 見切・処分(商品廃棄・値引き)、棚卸ロス(棚卸資産の増減高)
  • 消耗品費、包装費、清掃費、現金過不足、電話料
  • 設備修繕費、一般維持費、水道光熱費
  • 支払利息(本部勘定貸方残高に対する所定の支払利息)
  • 損害保険料、非課税経費、雑費

一方で雑益として、本部が負担する電気代の半額・見切処分の一部負担額・クーポン券換金差額などが加盟者側に戻ります。開示書面には見切・処分商品に関する支援制度があり、加盟者に契約違反がない場合、契約店舗で生じる毎月の見切・処分について本部が一部を負担するとされています。

収支の並びは次のようになります。

総荒利益高 - ローソン・チャージ = フランチャイジー収入
フランチャイジー収入 - 営業費計 + 雑益 = 店利益

開示書面は「なお、営業費計が、フランチャイジー収入と雑益の合計額を上回る場合、店利益は赤字になります。」と明記しています。

最低保証は4通りある

コンビニFCの記事でよく「ローソンの最低保証は年◯◯万円」と一つの数字で紹介されますが、開示書面の基準額は契約タイプ×営業時間で4通りに分かれます。

24時間営業24時間営業でない
FC-Bn年間1,980万円年間1,680万円
FC-Cn年間1,860万円年間1,560万円
最低保証額(年次フランチャイジー収入) 契約タイプと営業時間の組み合わせで4通りに分かれます 1,980万円 FC-Bn 24時間 1,680万円 FC-Bn 時短 1,860万円 FC-Cn 24時間 1,560万円 FC-Cn 時短

保証されるのはフランチャイジー収入で、営業費を引いた店利益ではありません

株式会社ローソンの情報開示書面(FC-Bn版・FC-Cn版)より。

制度の中身も押さえておく必要があります。開示書面によると、最低保証は加盟者に契約・規定・確認書・マニュアル等の違反行為がなく、本部と加盟者とで最善の努力がなされたにもかかわらず、年次フランチャイジー収入が基準額を下回った場合に、ローソン・チャージを減額してその金額に満つるまで補填する制度です。月間・四半期でも適用されますが、適用されたのち年次の結果に応じて精算されることがあります。営業日数が暦日数に満たない場合は、営業日数÷暦日数を保証額に掛けた金額が保証額になります。

保証されるのはフランチャイジー収入です。前の節で見たとおり、そこから人件費・水道光熱費・見切処分・棚卸ロスなどの営業費を引いたものが店利益なので、最低保証に届いていても店利益が赤字になることはあり得ます。開示書面自身が「なお、営業費計が、フランチャイジー収入と雑益の合計額を上回る場合、店利益は赤字になります。」と書いています。

なお売上・収益予測について、開示書面はこう書いています。

加盟者がフランチャイズを希望する特定場所の売上高・営業経費・収益等の予測数値は提示していません。 ただし、本部は、別途用意する「店舗収支シミュレーション」にて損益モデルを加盟者に提示しますが、それらは実際の店舗の売上高や収益を保証するものではありません。

契約は10年。更新はなく、再契約は合意が要る

契約期間は次のように定められています。

  • 開始日:契約締結日
  • 終了日:新規オープン日の属する月の初日から満10カ年目の日

開示書面は、オープン日が2026年4月15日なら終了日は2036年3月31日、と例示しています。オープン日ではなくその月の初日から数える点に注意が要ります。

そして更新の扱いです。

フランチャイズ契約は、契約満了により終了し、更新はありません。 契約終了の6カ月前までに本部、加盟者が合意した場合には、最新のフランチャイズ契約書により再契約します。 なお、合意に至らない場合には、再契約は行いません。

自動更新ではなく、双方の合意がなければそこで終わります。しかも再契約は「最新のフランチャイズ契約書」によるので、10年前と同じ条件が続くとは限りません。

直近3事業年度の更新実績は開示書面に載っています。

年度更新された加盟者の店舗数更新されなかった店舗数
2023年度904179
2024年度919154
2025年度942115

中途解約金は、続けた年数で変わる

契約期間中でも解約はできますが、条件があります。

解約金がかからない場合:本部または加盟者の一方が、次の事由を理由に説明資料を添えて解約を申し入れ、双方が協議して合意したとき。

  • 双方の努力にもかかわらず、契約店舗の営業がいずれかにとって著しく不利益であり、その改善が見込まれないと判断したとき
  • 加盟者またはその代表者が不慮の事故または死亡、もしくは疾病等により、契約店舗の営業が困難であると判断したとき

それ以外の解約:解約しようとする6カ月前までに、事由を説明する資料を添えて書面で相手方に通知します。この場合、中途解約金が発生します。

この金額も契約タイプで違います。

FC-Bn

解約日加盟者が支払う本部が支払う
新規オープン日以降3年未満過去1年間の平均チャージの5カ月分+店舗閉鎖に伴う諸経費100万円過去1年間の平均フランチャイジー収入の5カ月分
3年以上5年未満平均チャージの3カ月分+諸経費100万円平均フランチャイジー収入の3カ月分
5年以上平均チャージの1カ月分+諸経費100万円平均フランチャイジー収入の1カ月分

FC-Cn

解約日加盟者が支払う本部が支払う
新規オープン日以降3年未満過去1年間の平均チャージの3カ月分過去1年間の平均フランチャイジー収入の3カ月分
3年以上5年未満平均チャージの2カ月分平均フランチャイジー収入の2カ月分
5年以上平均チャージの1カ月分平均フランチャイジー収入の1カ月分

FC-Cnの表には、店舗閉鎖に伴う諸経費100万円の記載がありません。FC-Bnでは、本部から申し入れる場合にこの100万円が免除されます。どちらのタイプも、解約日が新規オープン日以降1年未満の場合は本部が売上実績等から試算した額を採用します。

当編集部の整理では、加盟者側から通常の中途解約を申し入れる場合、解約時期が早いほど平均チャージの月数が大きくなります。ただし月数はタイプで異なり、FC-Bnは5/3/1カ月分、FC-Cnは3/2/1カ月分です。チャージは総荒利益高の数十%なので、月商規模によっては数カ月分が相当な額になります。

新規オープン前の解約金も、タイプで形が違います。

状況FC-BnFC-Cn
建築工事着手後で店舗営業設備工事着手前50万円一律50万円(工事段階による区分なし)
店舗営業設備工事着手後150万円同上

24時間営業が原則。16時間までは短縮できる

開示書面の店舗運営上の規定には「通年営業、24時間営業です」とあります。ただし注記が続きます。

加盟者が申し出た場合、加盟者・本部間で協議し合意の上で営業時間を1日16時間を下回らない範囲で変更できるものとします。

申し出て協議し、合意すれば時短にできる仕組みです。ただし時短にすると、条件が2つとも不利な方向に動きます。

  • 最低保証の基準額が300万円下がる(FC-Bnは1,980万円→1,680万円、FC-Cnは1,860万円→1,560万円)
  • チャージ率が各率に3%加算される(FC-Bnは44/39/34/24%、FC-Cnは48/73/63%)

人件費や光熱費への影響は店舗ごとに違うため、時短にするかどうかは個別の収支シミュレーションで確かめる必要があります。開示書面が示しているのは、保証額が下がりチャージ率が上がるという条件面だけです。

販売価格は加盟者が決める

商品の販売条件について、開示書面はこう書いています。

本部は、ローソン・チェーンシステムに基づき、市場動向、消費動向、地域性等を勘案し基本的推奨価格として売価を決定しますが、加盟者はそれに強制されるものではなく、実際の販売価格は加盟者が決定します。

推奨価格はあるが強制ではなく、値付けは加盟者の裁量、という建て付けです。ただし仕入先は本部の推奨仕入先か、加盟者からの申請により本部が承認した仕入先に限られます。推奨仕入先以外から仕入れたい場合は事前に本部へ申請します。

商品の返品は、納品時の破損・汚損等の不良品または発注外であったもの以外は原則できません。催事商品等の返品可能商品はあらかじめ連絡があり、商品の一部には委託販売(売れた分だけが仕入となる)になるものがあります。

テリトリー権はない

開示書面の記述は明快です。

加盟者は、ローソン・ストアのテリトリーとして、ローソン・ストアの営業に関し独占的かつ排他的な権利を有することはできません。 本部は、いかなる地域にも直営またはフランチャイズによるローソン・ストアを出店することができます。 ただし本部は加盟店の営業努力を著しく損なわないように配慮して出店します。

「配慮して出店します」という一文はありますが、権利としてのテリトリーは無い、と書かれています。

競業避止義務についても定めがあります。加盟者はローソン・ストア以外にコンビニエンスストア事業またはこれに類似する営業を行うことができず、他チェーンへの加盟や提携も禁止の対象です。自分で行わなくても第三者に行わせることも禁止で、そのほか本部と競合するおそれのある営業も行えません。

売上金は毎日全額を本部に預ける

コンビニFC特有の資金の流れです。開示書面によると、加盟者は契約店舗における毎日の売上金・雑収入金・消費税等相当分の全額を本部に預託し、収納代行等の預り金全額とあわせて、翌日までに本部の指定口座へ振込送金します(翌日が金融機関休業日の場合は休業日の翌日)。

加盟者は、契約店舗の売上金等を交際費や家賃、借入金の返済、生活費、その他のために一切流用できません。 また、フランチャイズ契約書に定められた科目以外の科目で控除を行ったり支払うことはできません。

本部と加盟者の債権債務は本部勘定(オープンアカウント)で相殺されます。毎月1日から末日までを一会計期間とし、その期間内に発生した債権債務の総額を相殺する段階交互計算です。本部勘定は店舗のオープン日に開設され、契約終了日にすべて相殺して残額を精算することで閉鎖されます。

借方(本部に対する債権)には売上金・預り金等入金、仕入割戻、その他営業収入、雑益、預り消費税等が入り、貸方(本部に対する債務)には商品仕入代金、ローソン・チャージ、店舗営業費、仮払消費税、店主引出金が入ります。

利息特例制度もあります。本部勘定の貸方残高(加盟者の本部に対する債務)が利息特例額を超えない限り、その債務に利息はつきません。超過した場合は、所定の計算式で求めた利息対象元本に年3%(月割計算)の利息がつきます。本部が加盟者に対して債務を負う場合、利息はつきません。

利息特例額と店主持分増額分も、契約タイプで金額が違います。

FC-BnFC-Cn
利息特例額(オープン月)650万円550万円
翌月からの減額毎月3万5千円を100回毎月2万5千円を100回
店主持分増額分毎月3万5千円・合計350万円毎月2万5千円・合計250万円

店主持分増額分は、加盟者の本部に対する債務を軽減するために、本部がオープン日の翌月から100カ月間、店主引出金のうち上記の額をジー口座へ送金せず、加盟者の店主持分として資本に組み入れるものです。

店主引出金の送金額は「店利益+前月繰越金-(店主持分増額+オーナー福祉会費+その他の相殺金)」で計算されます。この額がマイナスになった場合、そのマイナス額は次月繰越金として翌月に繰り越され、加盟者の本部に対する債務の一部になります

出退店の実数と、訴訟件数

情報開示書面に、直近3事業年度の実数が載っています。

年度新規に営業を開始した加盟者の店舗数契約を解除した加盟者の店舗数契約を中途で終了した加盟者の店舗数
2023年度7090505
2024年度6791471
2025年度6423507
加盟者の新規開業と中途終了(情報開示書面) 新規に営業を開始 契約を中途で終了 709 505 2023年度 679 471 2024年度 642 507 2025年度

単位は店舗数。契約単位の集計で、店舗の開店・閉店とは一致しません

株式会社ローソンの情報開示書面より。

毎年600〜700件の契約が新しく始まり、470〜510件の契約が期間途中で終わっています。ここに前掲の「更新されなかった」115〜179件が加わります。

ただしこれらを差し引きして店舗の増減として読むことはできません。表題が示すとおり集計の単位は契約に係る加盟者の店舗数であり、同じ書面に載っている国内店舗数推移(決算情報)とは母集団も集計の趣旨も違います。実際、国内店舗数推移では2021年度から2025年度まで14,000店台で推移しています。当編集部の見方では、新規開始・中途終了・非更新がそれぞれ一定数ある一方で、国内店舗数の総数は横ばいです。

訴訟件数も5事業年度分が公表されています。

年度加盟者または加盟者であった者から提起された訴え当社より提起した訴え
2021年度01
2022年度11
2023年度00
2024年度02
2025年度00

5年で加盟者側からの提訴が1件、本部からの提訴が4件です。

研修とサポート、連帯保証人

加盟後オープンまでの間に、本部による延べ18日間の教育研修が加盟者およびクルーに対して行われ、対象者の参加と修了が必要です。内訳はスクール研修5日間、ストア研修ステップ1が6日間(トレーニング店舗)、ストア研修ステップ2が7日間(契約店舗)です。加盟者は新規オープン前の指定時期に、スクール研修へ専従者2名を参加させて修了しなければなりません。

本部は、スクール研修の課程において、専従者2名のうち1名でも研修の全課程に参加しなかった場合、または成績不良でローソン・ストアの経営に不適当と本部が判断した場合は、加盟者は研修未修了となり、新規オープン前解約を適用し、フランチャイズ契約は終了するものとします。

開店後は、本部が原則として週に1回以上、本部職員(SV等)による店舗巡回を実施します(リモートでの巡回を含む)。加えてメールや電話等により適宜サポートが行われます。

契約の締結に際して連帯保証人が1名必要です。法人の場合は別途、代表者本人を連帯保証人に加えます。連帯保証人の債務については極度額を400万円とし、連帯保証人はその限度内で責任を負います。加盟者は連帯保証人に対し、自分の財産と収支の状況、契約に基づく債務以外に負担している債務の有無と額および履行状況、債務の担保として提供するものの内容について、正確な情報を提供する義務があります。

契約店舗の専従者が退職等で欠員になった場合、60日以内に新たな専従者を選任し、その専従者に本部指定の研修を90日以内に受講させる必要があります。怠った場合、本部は催告のうえ契約を解除できます。また本部勘定の貸方残高が750万円を超過したときも、催告のうえ解除できる事由に挙げられています。

本部の規模

開示書面に掲載されている直近3事業年度の数字です(単位は百万円)。

2023年度2024年度2025年度
加盟店からの収入284,614297,656314,765
営業総収入391,793411,645440,235
営業利益58,01165,38664,890

2025年度の営業総収入4,402億円のうち、加盟店からの収入は3,147億円で約72%を占めます(当編集部が算出)。国内店舗数は同書面の決算情報によると、2021年度から2025年度まで14,000店台で推移しています。

会社概要は2026年2月末現在で、株式会社ローソン、本社は東京都品川区大崎1丁目11番2号ゲートシティ大崎イーストタワー、代表取締役社長は竹増貞信氏、資本金585億664万4千円、設立1975年4月15日、フランチャイズ事業の開始は1975年9月13日(加盟店1号店開店)です。

加盟を検討するときの材料

以下は、開示書面の条件を前提に当編集部が整理した検討観点です。書面に書かれている判断基準ではありません。

契約タイプをどちらで見るか

FC-Bnは自ら店舗を用意する分、加盟時の本部支払いが110万円と軽く、チャージ率も41%から段階的に下がります。ただし土地建物の費用は別途かかります。FC-Cnは本部が店舗を用意するため物件の負担がない代わりに、加盟金が210万円になり、チャージ率は45%・70%・60%と高く設定されています。どちらが有利かは物件の費用と見込む総荒利益高の水準で変わるため、両方の書面を並べて自分の想定で計算する必要があります

確認しておきたいこと

書面はチェーン共通の条件を示す資料で、個別の店舗の採算は書かれていません。次の点は本部に直接聞いてください。

  1. 検討している立地でどちらの契約タイプが提示されるのか
  2. 提示される「店舗収支シミュレーション」の前提(想定日商・想定廃棄率・想定人件費)
  3. その想定で年次フランチャイジー収入が最低保証の基準額をどれだけ上回るのか
  4. 見切・処分商品に関する支援制度で、本部が負担する割合の実際
  5. 時短営業にした場合の、人件費の削減見込みと保証額300万円減のバランス
  6. 周辺の出店計画(テリトリー権が無いため)
  7. 専従者2名を10年間確保できる体制があるか

なお開示書面自体が、加盟に際して調査すべき資料については加盟しようとする方が事前に自ら確認することが必要である、と述べています。契約書は自分だけで読まず、専門家に見てもらってから判断してください。

加盟検討者の方へ

参考情報

一次情報

制度の根拠

コンビニエンスストアは小売業のため、中小小売商業振興法にもとづく法定開示書面の交付義務の対象です。書面の各項目には、小振法および施行規則のどの条項に対応するかが併記されています。

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