この記事の目次
よくある質問
カーブスのフランチャイズの加盟金はいくらですか?
情報開示書面によると、加盟契約の締結日までに支払うのは、加盟金400万円(税別)、加盟契約書別紙B記載のフィットネス機器の対価20,000米ドル(消費税相当額を加算、本部倉庫から店舗までの送料は別途)、初期研修の費用50万円(税別)の3つです。この3つのうち一部でも期限内に支払わなかった場合、加盟契約は成立しません。支払いが5日以上遅れると、6日目から年利14.6%の遅延損害金がかかります。これらは原則として返還されません。このほかに、店舗の立地と不動産の賃借権等の確保、什器備品の購入と設置、通信環境の整備は、いずれも加盟店が自らの費用でおこなうと開示書面に明記されています。ただし開業時の内外装工事費と運転資金の額は開示書面に記載がなく、開業資金の総額を本部が公表している資料も確認できませんでした。
カーブスのロイヤリティは売上の何%ですか?
情報開示書面によると、ロイヤルティは総売上の5%(税別)です。ただし本部に払うのはこれだけではありません。同じ総売上に対して広告等分担金が3%かかるため、売上に連動する分は合計8%になります。さらに会員数に連動する手数料が2つあり、入会1会員あたり1,000円の入退会事務手続の手数料と、在籍1会員あたり月330円の会費引落およびデータメンテナンスの手数料がかかります。ここでいう総売上とは、カーブス標章を付して提供するサービス・物品などで加盟店が受領するすべての金額を指し、代金の回収ができなかった場合でもその分を差し引きません。
カーブスFCの契約期間は何年ですか?途中でやめられますか?
契約期間は、加盟契約にもとづいて店舗を開業した日から5年間です。そして情報開示書面には「加盟店は、契約期間中に加盟契約を中途解約することはできません」と明記されており、契約期間中に店舗を閉店することも重大な契約違反にあたるとされています。収益悪化などで閉店せざるを得ない場合は、閉店希望日の180日前までに書面で本部に通知して承認を得る必要があり、承認を得るまで閉店手続きに入れません。閉店時には本部に閉店手数料50万円を支払い、在籍会員に対しては受領済みの会費の返金と、入会から3年未満の会員への迷惑料の支払いが必要です。
カーブスFCにテリトリー権(縄張り)はありますか?
加盟権はフランチャイズ地域として指定された区域で1店舗を対象に付与されますが、情報開示書面には「フランチャイズ地域内においても、本部は加盟店に対し排他的独占的な営業権を保証するものではありません」と書かれています。本部は同じ地域の内外で自ら店舗を持ち、経営し、または第三者に加盟権を付与する権利を明確に有するとされ、契約期間中であってもその地域内で新たな加盟店の開業準備を進めることができます。テリトリー制という言葉から独占的な商圏を想像すると実態とずれるため、加盟前にこの条項は必ず自分で読んでください。
カーブスFCの店舗は増えていますか?減っていますか?
情報開示書面によると、新規に営業を開始した加盟店の店舗数は2023年8月期25店・2024年8月期22店・2025年8月期25店、契約を中途で終了した加盟店の店舗数は同じ順に10店・6店・7店です。3期とも新規が中途終了を上回っています。またグループ全体では、2026年8月25日のニュースリリースで、カーブス2,014店・メンズ・カーブス43店・ピント・アップ50店の合計2,107店になったと発表されています。カーブス単体は2025年10月に国内2,000店舗へ再到達したもので、コロナ禍で減った店舗数を回復した経緯があります。加盟店または加盟店であった者との訴訟は、2021年8月期から2025年8月期まで5期連続で0件です。
チェーン基本情報
| チェーン名 | カーブス |
|---|---|
| 業種 | フィットネス・ジム |
| 初期費用 | 加盟金400万円+初期研修費50万円(いずれも税別)+フィットネス機器の対価20,000米ドル(消費税・送料別)/情報開示書面。店舗の立地確保・什器備品・通信環境は加盟店の費用と明記。内外装工事費と運転資金の額は開示書面に記載なし |
| ロイヤリティ | ロイヤルティ 総売上の5%+広告等分担金 総売上の3%(いずれも税別)。別途 在籍1会員あたり月330円、入会1会員あたり1,000円/情報開示書面 |
カーブスへの加盟を考えるとき、最初に知りたいのは「いくらかかって、毎月いくら本部に払い、途中でやめられるのか」だと思います。説明会に行く前に、条件のあらましは自分で押さえておきたいところです。
カーブスの本部である株式会社カーブスジャパンは、日本フランチャイズチェーン協会のサイトで情報開示書面(フランチャイズ契約の要点と概説・3次募集 ver.6.0・全40ページ)を公開しています。契約の条件が本部自身の言葉で書かれた資料です。この記事の契約条件と金額は、この開示書面で確認したものです。店舗数や会員数などの直近の数字は本部のニュースリリースと公式サイトから取っており、当編集部の換算・試算・判断はその都度そう明記します。
先に結論を書きます。ロイヤルティは総売上の5%です。ただし本部に払うのはこれだけではなく、同じ売上に広告等分担金3%がかかり、さらに会員数に応じた手数料が別に2つあります。そして契約期間中の中途解約はできません。
加盟時に本部へ支払う3つの金銭
加盟契約の締結日までに、次の3つを本部に支払います。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 加盟金 | 400万円(税別) | |
| フィットネス機器の対価 | 20,000米ドル | 支払日前日の三菱UFJ銀行の対顧客電信売買相場仲値で円換算し、消費税相当額を加算。本部倉庫から店舗までの送料は別途 |
| 初期研修の費用 | 50万円(税別) |
この3つのうち一部でも期限内に支払わなかった場合、加盟契約は成立しません。支払いが5日以上遅れると、6日目から支払済みの日まで年利14.6%の遅延損害金がかかります。
支払った金銭は原則として返還されません。例外は、加盟契約第12条1項・2項にもとづく返還の場合と、本部の故意または重過失による場合だけです。
機器の対価が米ドル建てであることについて、書面から確認できること
3つのうち、フィットネス機器の対価だけが米ドル建てです。開示書面は、なぜドル建てなのかを説明していません。以下は理由の説明ではなく、書面から確認できる事実の列挙です。
1. カーブスジャパンは米国本部のマスターフランチャイジー
沿革の2005年2月の欄に、株式会社カーブスジャパンの設立と、カーブス・インターナショナルとのマスター・フランチャイズ契約の締結が並んで記載されています。商標の項にも、こう書かれています。
カーブス・インターナショナル社と本部はマスター・フランチャイズ契約を締結しており、カーブス・インターナショナル社は本部に対し、日本国内におけるカーブス・フランチャイズ事業展開の権利、およびカーブス標章の使用権を付与しています。 カーブスが1992年に米国で創業したことは公式のフランチャイズ募集ページに記載があります(開示書面には創業年の記載はありません)。日本法人は、その日本国内の展開権を得ている立場です。ただしこの構造がドル建ての理由である、とは書面のどこにも書かれていません。
2. 機器そのものは日本国内にある
注記に「日本国内の本部倉庫からカーブス店舗までの送料が別途必要になります」とあります。送料の起点は日本国内の本部倉庫です。少なくとも書面上、加盟店が負担する輸送は国内区間で、そこにドル建ての要素はありません。値段だけがドル建てという形です。
3. 為替の変動は加盟店が負う
円換算は「支払日前日の為替レート(株式会社三菱UFJ銀行発表の対顧客電信売買相場仲値)」を基準におこなわれます。3つの金銭はいずれも加盟契約の締結日までに支払うため、円建ての負担額が決まるのは、加盟を決めてから実際に振り込むまでのあいだです。20,000ドルなので、為替が1円動くと2万円動きます。
仮定のレートで置いた場合の金額は次のようになります。
| 仮定為替(1ドル) | 機器の対価 | 消費税を加えた額 |
|---|---|---|
| 140円 | 280万円 | 308万円 |
| 150円 | 300万円 | 330万円 |
| 160円 | 320万円 | 352万円 |
この表は当編集部が仮定のレートで計算したもので、本部の提示額でも実際の適用レートでもありません。消費税は10%として計算しています。
加盟金400万円と初期研修費50万円は円建てで固定です。上の3項目のうち、為替で円換算額が変わるのはフィットネス機器の対価だけです。しかも支払いが5日以上遅れると年利14.6%の遅延損害金がつくため、レートを見て支払日をずらすという調整もしにくい設計になっています。
そして店舗そのものにかかる費用は、ここに含まれていません。開示書面が加盟店の負担と定めているのは、次のものです。
- 店舗の立地および店舗用不動産の賃借権等の確保(「加盟店は、自らの費用と責任で」と明記)
- 什器備品(AEDおよび血圧計を含む)の購入と設置
- 店舗経営支援システムを使うための通信環境の整備
- 店舗を良好な状態に保持すること、および基準変更にともなう改良・改変・改造
一方、開業時の内外装工事費と運転資金がいくら要るかは、開示書面に書かれていません。運転資金という言葉自体が40ページのどこにも出てきません。開業資金の総額を本部が公表している資料も確認できませんでした。金額は説明会で確認してください。
毎月の本部支払いは2階建てになっている
本部への支払いは、売上に連動する分と、会員数に連動する分の2階建てになっています。
| 種別 | 金額(税別) |
|---|---|
| ロイヤルティ | 総売上の5% |
| 広告等分担金 | 総売上の3% |
| 入退会事務手続の手数料 | 入会1会員あたり 1,000円 |
| 会費引落およびデータメンテナンスの手数料 | 在籍1会員あたり 330円 |
売上に連動するのは、ロイヤルティ5%と広告等分担金3%を合わせた8%です。ロイヤルティ5%だけでは、売上に連動して本部へ渡る割合を把握できません。実際はその1.6倍です。
ここでいう総売上とは、開示書面の定義では「カーブス標章を付してなされるあらゆる種類・性質のサービス・物品の提供など、加盟店がカーブス店舗の運営により受領するすべての金額」です。代金回収の方法は問わず、回収の不能または不成立の引当金や控除を考慮しません。未回収の会費が出ても、その分を差し引いてもらえるわけではないという意味です。
そして見落とされやすいのが、下の階の会員数連動分です。在籍会員1名につき月330円は、会員が増えるほど積み上がります。
この会費引落およびデータメンテナンスの手数料には、開示書面に適用時期の注記があります。2025年9月1日以降の新規入会者については2025年9月分から、2025年8月31日以前からの在籍会員については2026年4月分から適用され、詳細は2025年7月31日付の本部からの通知に記載があるとされています。つまりこの330円は、既存の加盟店にとっても最近になって全会員に及んだ費用です。加盟前に本部から示される収支のモデルが、この手数料を織り込んだ後のものかどうかは確認したほうがいいでしょう。
なお、これらの支払い方法は加盟店が本部に振り込む形ではありません。本部が入会金および会費の回収事務を代行し、当月分の金銭を差し引いた額を加盟店に支払う仕組みです。売上は一度本部を経由します。
また開示書面には「上記は毎月定額(定率)で発生するものであり、これ以外に商品購入等によりスポットで発生するものがあります」「上記費用は改訂されることがあります」との但し書きがあります。
収益は本部が保証しない、と契約に書いてある
開示書面の「売上・収益予測についての説明」には、加盟契約を結ぶ前に加盟店が確認する事項として、次のような内容が並んでいます。
- 加盟契約を締結する前に、弁護士や公認会計士等より契約の条件について助言を受ける機会が十分にあったこと
- 加盟店が独自の調査をおこなったうえで契約を締結するものであり、本部は加盟店の売上および収益について一切保証しないこと
- 加盟権が成功する、または収益を生むことを本部は保証・表明・約束・請負しないこと
- 加盟店が選定した立地が必ず成功する場所であることを保証しないこと
- 立地の適合性・売上・収益その他の成果は、本部または加盟店がコントロールし得ない数多くの要因に左右されるが、主に加盟店の運営努力および運営能力に左右されること
募集資料や説明会で示される年商例・利益例は、本部が保証する数字ではありません。この確認事項に同意したうえで契約する構造になっています。
契約から180日以内に開業しないと、違約金100万円
開業までのスケジュールにも金銭が紐づいています。
加盟店は、加盟契約締結日から180日以内に店舗を開業しなければなりません。この180日を「開業準備期間」と呼びます。期間中に開業しない場合、本部は契約を解除でき、加盟店は違約金として100万円を支払います。この違約金とは別に、本部が損害賠償を請求することも妨げられません。
なおこの理由で契約が解除された場合、本部は受領済みの加盟金から違約金を控除した金額と、フィットネス機器の対価(未納品の場合)、初期研修費用(未参加の場合)を返還します。
期間の延長には本部の事前承認が必要で、延長が認められた場合も、契約締結日から180日が経過した月の翌月から開業までのあいだ、違約金として毎月5万円(税別)がかかります。開業予定日までに開業せず日付の再設定が必要になった場合は、変更手数料15万円(税別)が別途発生します。
物件の確保は加盟店の責任ですが、賃貸借契約を結ぶ前に本部の承認が必要です。承認が下りるまで契約できず、しかし180日の時計は契約締結日から動いています。物件探しに時間がかかる立地を狙う場合、この期間設計は加盟前に本部と詰めておく論点になります。
開業時には、本部または本部が指定した者による開業支援が、開業日から最長5日間おこなわれます。ただし内容と期間は加盟店の状況に応じて本部が裁量で決定するとされています。
契約期間は開業から5年。15年目から再契約料がかかる
契約期間は、加盟契約の締結日を始期とし、店舗を開業した日から5年間が経過した日を終期とします。
再契約するかどうかを判断する権利は本部にあります。加盟契約・本部通知・マニュアル・本部が別途定める再契約条件・運営水準の遵守状況を勘案して判断し、期間満了の90日前までに「再契約許可」または「再契約拒絶」を通知します。
再契約料については、開示書面に明確な記載があります。
- 5年目の再契約および10年目の再契約にあたっては、再契約料は発生しない
- 15年目以降の再契約にあたっては、再契約ごとに、本部が別途定める再契約料を支払う
15年目以降の再契約料の金額は、ビジネスモデルの進化・商品サービスの追加変更・経済情勢の変化などを勘案して本部が決定し、事前に加盟店へ通知するとされています。契約時点では金額が確定していない費用です。
また再契約に際して、加盟店は次の事項にあらかじめ合意します。
- カーブスチェーンの最新イメージの各種基準に適合するよう、設備・機器類や看板の入れ替え、店舗の改装、あるいは店舗の移設をおこなうこと
- 再契約書においては、ロイヤルティその他の金額を含む諸条件が、現在の加盟契約とは異なっている場合があること
5年ごとに条件が見直され、そのたびに設備投資が発生しうる構造です。初期投資の回収計画を立てるときは、5年で完結する話ではないことを織り込む必要があります。
契約期間中の中途解約はできない
撤退の可否に直接かかわる条項です。開示書面の「加盟店からの中途解約」には、こう書かれています。
加盟店は、契約期間中に加盟契約を中途解約することはできません。加盟店が契約期間中に中途解約すること、ならびに契約期間中にカーブス店舗を閉店することは、重大な契約違反となります。
そのうえで、収益の悪化等の理由で運営を継続できず閉店せざるを得ない状況になった場合の手続きが定められています。
- 閉店希望日の180日前までに書面で本部に通知し、本部の承認を得る
- 本部の承認を得るまで、閉店手続きに入ってはならない
- 店舗存続のための譲渡対応や会員対応などの事情により、本部が加盟店の希望日と異なる閉店日を指定した場合は、それに従う
閉店時の金銭も定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 閉店手数料 | 本部に50万円を支払う |
| 会員への迷惑料 | 入会日から閉店日までが3年未満の会員に、その会員から受領した入会金を上限として、本部所定の金額を支払う |
| 会費の返金(年一括払い) | 閉店日が属する月以降、受領済みの月までの会費を返金。閉店日が月の途中でも当該月は1か月分を返金 |
| 会費の返金(月払い) | 同上 |
つまり、赤字だから来月やめる、という判断ができません。決断してから実際に閉じるまで、書面の手続きどおりなら最短でも半年かかります。少なくとも、その期間の運営を続ける前提で資金繰りを見ておく必要があります。撤退のタイミングを通常の自営業と同じ感覚で見積もると、資金計画に影響します。
なお本部側からの解除については、是正の機会を与えずに即時解除できる事由が25項目にわたって列挙されています。手形の不渡り・支払停止、倒産手続の開始申立、本部への重大な不実告知や虚偽報告(店舗の売上を過少に報告した場合を含む)、本部の承認なく店舗の運営を休止した場合、競業避止義務違反などが並びます。
出退店の実数と、訴訟件数
情報開示書面には、出退店の実数が載っています。
| 年度 | 新規に営業を開始した加盟店 | 契約を中途で終了した加盟店 |
|---|---|---|
| 2023年8月期(2022年9月〜2023年8月) | 25店 | 10店 |
| 2024年8月期(2023年9月〜2024年8月) | 22店 | 6店 |
| 2025年8月期(2024年9月〜2025年8月) | 25店 | 7店 |
再契約の状況も公表されています。再契約された契約に係る店舗数は2023年8月期379店・2024年8月期315店・2025年8月期302店で、再契約されなかった契約に係る店舗数は同じ順に3店・3店・1店です。あわせて、再契約に伴い他の加盟店に譲渡された契約に係る店舗数が3店・2店・8店あります(譲渡と再契約されなかった店舗数には、契約期間満了前1年以内に譲渡・閉店した店舗数を含むと注記されています)。
再契約された店舗数は、再契約されなかった店舗数を大きく上回ります。ただし注記のとおり、譲渡・再契約なしの数には契約期間満了前1年以内に譲渡・閉店した店舗が含まれるため、これをそのまま継続率として読むことはできません。
訴訟件数は、加盟店または加盟店であった者から提起された訴えも、本部から提起した訴えも、2021年8月期から2025年8月期まで5期連続で0件です。
運営の裁量はどこまであるか
カーブスは、店舗運営の細部まで本部の基準が及ぶ設計です。加盟後にどこを自分で決められるのかは、加盟前に把握しておく価値があります。
営業時間は契約で決まっている
開示書面が定める運営時間は次のとおりです。
- 年間52週営業をおこなう
- 平日は10〜13時および15〜19時の7時間営業
- 土曜日は10〜13時の3時間営業
- 日曜は休業
- 祝日は休業可
加盟店による営業時間の変更は原則として認められず、やむを得ない事情で変更を希望する場合は事前に書面による本部の承認が必要です。逆に本部の側からは、チェーン全体の改善のために営業時間や営業日数を変更する指示が出ることがあり、加盟店はそれに従います。
また同一月内に一定日数以上休業する場合、本部が定める計算方法に従って会員に会費の全部または一部を返還する義務があります。
週の営業時間は平日7時間×5日+土曜3時間で38時間です。24時間営業のジムと比べると、人件費と光熱費の構造がまったく違います。
人員は3名以上・専任・欠員は90日以内
初期研修を修了した店長およびスタッフ2名の計3名以上を配置し、本部に報告します。
この3名は1店舗の専任でなければならず、他店との兼任はできません。3名のうち1名でも欠員が出た場合、初期研修を修了したスタッフを増員し、欠員が発生した日から90日以内に3名体制に戻す必要があります。これを怠った場合、本部は加盟契約を解除することができます(店舗の状況により本部が異なる対応を承認する場合を除く)。
さらに、従業員の給与水準その他の労働条件について、本部が定める条件を適用すると定められています。これを守らない場合も本部は契約を解除できます。人件費は加盟店にとって最大の変動費ですが、その水準を自由に決められる契約ではありません。
複数店舗を持つ場合、スタッフを店舗間で融通して人件費を圧縮する運用ができない点は、収支計画に直接効きます。
仕入れと価格の裁量
- 提供・販売できるのは、本部が事前に承認した商品およびサービスのみ
- 本部が指定したすべての商品およびサービスは提供・販売しなければならない
- 商品・サービスは本部指定の金額で提供しなければならない(値付けの裁量はない)
- 什器・備品・看板・設備・制服・販促ツール等は、本部または本部認定業者からのみ購入する
- 認定業者以外から買いたい場合は、サンプルや仕様説明を加盟店の費用で提供して本部の事前承認を得る
- 売買代金は納品までに前払い
設備は期限付きで交換義務がある
老朽化・磨耗・動作不良・メーカー保守期限切れ・災害による毀損・法令改正・本部の指示のいずれかに該当した場合、加盟店は自らの費用負担で設備を交換します。交換の目安として、開示書面には次の期限が明記されています。
| 対象 | 交換の目安 |
|---|---|
| フィットネス機器 | 購入から10年以内で本部が指定した時期。ただしシリンダーは5年ごとにすべて新品に交換 |
| 店舗経営支援システム用コンピュータ一式 | 購入から5年以内で本部が指定した時期 |
| 内外装および什器備品 | 購入から10年以内で本部が指定した時期 |
加えて、本部がサービス向上・安全性・情報セキュリティ・省エネなどの目的で追加投資を求めた場合、加盟店は速やかに実施するものとされています。
初期投資だけでなく、5年周期・10年周期で再投資が発生する前提の事業です。
テリトリー権に独占の保証はない
募集情報では「テリトリー制」と紹介されることがありますが、開示書面の記述は次のとおりです。
加盟権は、加盟契約別表Aに記載の地域(フランチャイズ地域)において店舗1店舗を対象として付与され、加盟店はその区域内で1店舗に限り開業・運営できます。ただし、
フランチャイズ地域内においても、本部は加盟店に対し排他的独占的な営業権を保証するものではありません。
本部は、加盟権を付与したフランチャイズ地域の内外で自ら店舗を所有・経営し、または第三者に加盟権を付与する権利を明確に有するとされ、契約期間中であってもその地域内で加盟店を自ら開発し、または第三者に開発させ、開業準備を進めることができます。
さらに本部は、他社のブランドやそのブランドをライセンスする権利、カーブスチェーンの店舗を、加盟店への経済的影響を考慮することなく合併・買収その他の方法で取得する可能性がある、とも書かれています。ただし取得したブランドがフランチャイズ地域内で事業展開しており、取得後も継続する場合で、加盟店が取得に反対するときは、本部がその店舗をカーブスとして営業開始してから12か月以内に、6か月以上の予告をもって加盟契約を終了させることができます。
「テリトリーがあるから商圏を守られる」という理解で商圏設計をすると、前提が違います。
競業避止は契約終了後2年、違約金は500万円
競業避止義務は、契約期間中および契約終了日または事実上店舗運営を終了した日のいずれか遅い日から2年間続きます。対象となる行為は、株主・役員・従業員・組合員・業務委託・業務受託・FC本部・FC加盟店・コンサルタント・アドバイザー等、形式を問いません。
- 日本国内において、男性向け・女性向けを問わず、本チェーンの事業ならびに本部が展開する事業と競合する事業、または類似する事業に従事・関与し、もしくは収益を得ること
- 本部または他の加盟店の役員・従業員を雇用し、雇用しようとし、または退職を促すこと
- 本部または他の加盟店の取引関係を妨げること
- 本部または他の加盟店から顧客やビジネスを奪うこと
これらが禁じられます。加盟店が個人事業主の場合は、本人・配偶者・全従業員に対して、本部が定める内容と形式の競業避止契約および秘密保持契約を締結させ、その写しを本部に提供する義務もあります。
違約金500万円が定められている条項もあります。契約終了後に会員リスト・見込客リストの一部でも保有し続けた場合、店舗経営支援システム上で提供される情報を第三者に開示・漏洩した場合、マニュアルの守秘義務(第68条)に違反した場合です。守秘義務違反については、違反していないと主張する場合は加盟店自身が立証責任を負うと明記されています。
フィットネス事業をやめて別業態に移るつもりなら影響は小さいですが、同業で再起を図る選択肢は2年間封じられます。
本部の業績と、いまの募集状況
情報開示書面の6章(直近3事業年度の貸借対照表および損益計算書)に、グループ連結の損益計算書が載っています。金額は千円単位で記載されており、以下は当編集部が億・万円に換算したものです。
| 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 300億2,248万円 | 354億6,534万円 | 375億6,600万円 |
| 営業利益 | 38億5,154万円 | 54億5,819万円 | 63億4,200万円 |
| 当期純利益 | 25億5,136万円 | 35億6,693万円 | 43億300万円 |
3期連続の増収増益で、2025年8月期の営業利益率は16.9%です(当編集部が売上高から算出)。
直近の状況は、株式会社カーブスホールディングスと株式会社カーブスジャパンが2026年8月25日に出したニュースリリースで公表されています。
- カーブスジャパンが国内で展開する3ブランドの合計店舗数が、2026年7月の新規出店をもって2,107店舗に到達。内訳はカーブス2,014店舗、メンズ・カーブス43店舗、ピント・アップ50店舗(いずれも2026年7月末日現在)
- カーブスの会員数は2026年6月末現在で90.0万人(前年同期末比4.4万人増)
- 2026年8月期第3四半期連結累計期間(2025年9月1日〜2026年5月31日)の連結業績は売上高315.7億円(前年同期比13.8%増)・営業利益61.5億円(同22.0%増)
- 2026年8月期第3四半期の平均月次退会率は2.25%
- 今後も年間20〜30店舗の新規出店を継続する方針
- 通期の連結業績は売上高423億円(前年同期比12.6%増)・営業利益77億円(同21.4%増)を見込む
同リリースには、カーブスが2025年10月に国内2,000店舗へ「再到達」したこと、その背景としてコロナショックによる大幅な会員数・店舗数の減少があったことも書かれています。いま増えているのは、いったん減った分を取り戻した動きを含みます。
減り方と戻り方は、開示書面の沿革に年次で載っています。
| 時点 | 店舗数 | 会員数 |
|---|---|---|
| 2019年10月 | 2,008店舗 | 86.0万名 |
| 2020年8月 | 2,020店舗 | 60.0万名(休会会員を除く) |
| 2021年8月 | 1,958店舗 | 69.3万名 |
| 2022年8月 | 1,947店舗 | 75.4万名 |
| 2023年8月 | 1,962店舗 | 77.7万名 |
| 2024年8月 | 1,978店舗 | 81.7万名 |
| 2025年8月 | 1,996店舗 | 86.3万名 |
店舗数は2020年8月の2,020店から2022年8月の1,947店まで73店減り、そこから3年かけて1,996店まで戻しました。会員数の底は2021年8月の69.3万名で、店舗数の底より1年早く来ています。なお2020年8月の60.0万名だけ「休会会員を除く」と注記があるため、前後の年と同じ基準では比べられません。底を打ったあとは、店舗数・会員数とも毎年増えています。
加盟を検討する立場で見ると、直近3期の新規25店・22店・25店という出店ペースは、この回復局面の数字です。沿革に載っている到達店舗数が増え続けていた2006年から2019年までとは、局面が違います。
募集状況については、カーブス公式のフランチャイズ募集ページに「一部エリアにおいて新規加盟募集を再開致しました」と掲示されています。全国どこでも加盟できる状態ではなく、エリアが限られます。加盟企業は350社を超えるとされ、前述のニュースリリースでは全360社という数字が使われています。
新規事業のピント・アップ(からだ動き回復センター)については、2025年7月よりカーブスの運営実績が豊富な加盟企業30社による先行出店をおこない、今後は出店対象を全360社へ拡大して多店舗展開を本格化する、とされています。カーブスで実績を積んだ加盟企業に次のブランドが開かれる構造です。
加盟を検討するときの判断材料
以下は、開示書面の条件を前提に当編集部が整理した検討観点です。書面に書かれている判断基準ではありません。
検討しやすい条件
- 法人として、5年・10年単位で腰を据えて取り組める体制がある
- 本部の基準に沿った運営を徹底することに抵抗がない(営業時間・価格・仕入先・労働条件がすべて本部基準)
- 中高年女性が生活動線上に多い商圏を確保できる
- 3名の専任スタッフを継続して確保・定着させられる採用力がある
- 5年ごとの設備更新・再投資を織り込んだ資金計画が立てられる
条件と合いにくい場合
- 短期で投資を回収して撤退する前提で考えている(契約期間中の中途解約ができない)
- 価格設定や営業時間で独自性を出したい
- スタッフを複数店舗で兼任させて人件費を圧縮する運営を想定している
- 同一商圏に他店が入らないことを前提に商圏設計したい
- 将来フィットネス事業で独立する構想がある(契約終了後2年の競業避止)
説明会で確認しておきたいこと
開示書面はチェーン共通の条件を示す資料で、個別の店舗の採算は書かれていません。次の点は本部に直接聞いてください。
- 自分が検討しているエリアが、いま募集を再開しているエリアに含まれるか
- 物件取得費・内外装工事費・什器備品・運転資金を含めた、開業までに必要な資金の総額
- フィットネス機器20,000米ドルの円換算タイミングと、本部倉庫からの送料の目安
- 提示される収支モデルが、在籍1会員あたり月330円の手数料を織り込んだ後の数字かどうか
- 本部が定める従業員の給与水準その他の労働条件の具体的な内容
- フランチャイズ地域として提示される区域の範囲と、その周辺の出店計画
- 15年目以降の再契約料が、直近ではどの程度の水準で設定されているか
- 契約締結から開業までの180日で、物件の確保と本部承認が現実的に間に合うスケジュール
このうち4と5は、収支に直接効くのに募集資料では表に出にくい項目です。
なお、開示書面自体が「加盟契約を締結する前に、弁護士や公認会計士等より契約の条件について助言を受ける機会が十分にあったこと」を確認事項として挙げています。契約書は自分だけで読まず、専門家に見てもらってから判断してください。
加盟検討者の方へ
- 業界全体の収益構造を俯瞰したい場合: フィットネス・ジムのビジネスモデル
- 開業資金の業界平均と比較: フィットネス・ジムの開業資金
- 業界の利益率レンジ: フィットネス・ジムの利益率・収益構造
- 同業他社FCとの比較: chocoZAP / エニタイムフィットネス
- 同じく情報開示書面で条件を確認したFC: コメダ珈琲店 / スクールIE / 明光義塾
参考情報
一次情報
- 株式会社カーブスジャパン「フランチャイズ契約の要点と概説(3次募集 ver.6.0)」(情報開示書面・全40ページ): https://www.jfa-fc.or.jp/fc-g-misc/pdf/217-1.pdf
- 株式会社カーブスホールディングス/株式会社カーブスジャパン「カーブスグループ、国内店舗数が初めて2,100店舗超に」(2026年8月25日): https://www.curves.co.jp/press/pdf/info20260825.pdf
- 株式会社カーブスジャパン「フランチャイズ募集」(募集状況・加盟企業数): https://www.curves.co.jp/franchise/
- 株式会社カーブスジャパン「会社情報」: https://www.curves.co.jp/company/
制度の根拠
- 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」: https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html
- 中小企業庁「フランチャイズ事業を始めるにあたって」: https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/franchise.html
フィットネスクラブの運営は小売業・飲食業ではないため、中小小売商業振興法にもとづく法定開示書面の交付義務の対象外です。カーブスジャパンが公開している情報開示書面は、日本フランチャイズチェーン協会の開示自主基準にもとづく自主的な開示です。
この業界の関連情報
- フィットネス・ジムのビジネスモデル全体像 — 業態構造・市場規模・主要プレイヤー
- フィットネス・ジムの開業資金 — 業態別の初期投資レンジ
- フィットネス・ジムFC比較 — 主要本部の加盟金とロイヤリティ
- フィットネス・ジムの失敗事例 — 撤退・損失パターンと回避策
- フィットネス・ジムの利益率・収益構造 — 業態別の客単価・原価率・営業利益率
- フィットネス・ジム×補助金活用 — 小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金の活用
- フィットネス・ジムを副業として始めるには — 副業から個人開業への段階設計
- フィットネス・ジムの個人開業ノウハウ — 物件取得・運営オペレーション・集客の手順